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16:マヨネーズ戦争とマヤ

『ここらの王や領主には、とても強欲な者が多いんだ・・・・』


 そう話を切り出したのは、カロンだった。

 それは完成したマヨネーズの試食を皆で行い、皆それぞれに感想を述べた後だった。そこでカロンがマヨネーズで、戦争が起こるとのたまったのだ。カロンは静かにその理由を述べ始めた。


『もしそんな王や領主がマヨネーズの存在を知れば、強引にでもそのレシピを知ろうとするだろうね。またそのレシピを知れば、自己顕示欲を満たすために自慢するだろうし、そのレシピを秘匿しょうともするだろう。そうなれば他の強欲な王や領主は黙っていない・・・・その結果何が起こるのか、かしこい君にならわかるよね?』


 戦争・・・・。カロンが戦争が起こると言った理由は、どうもこの辺りの王や領主が原因だったようだ。

 ならマヨネーズのレシピを、一気に広めてしまえば、誰も争いなんて起こさないのではないだろうか? だがそのためには、まともな王か領主の、協力が必要だろう。それこそ平和的な思考の・・・戦争を嫌うような人物が・・・・


「平和的な思考の為政者は、この辺りにはいないのですか?」


 もし平和的な思考の為政者がいなければ、マヨネーズや美食をまともに広めることなんて、とても出来ないだろう。それならこの国を出て、まともな思考の為政者を探すか、最悪どこかの国を乗っ取るかだ・・・・。


『為政者ねえ・・・・。この国のオルブラント公爵がそうだと噂で聞いたことはあるけど・・・・。でも今の君が会うのは無理な話だ。平民の君がそう易々と公爵になんて立場の人間に会うことはできないからね・・・・。それこそ公爵の身近な者に知り合いでもいれば別だけど?』


 公爵といえば、それこそ国王の身内とかそういった身分の者だ。確かにそう易々と、会うことはできないだろう。これはこの世界でマヨネーズを広めるのは、かなりの難題になりそうだ。


「マヨネーズなくなっちゃった~!」


 そんな小難しい話を、カロンとしていると、どうやら器の中のマヨネーズを、姉妹が食べつくしてしまったようだ。


「それでは残りの卵もマヨネーズにしちゃいましょうか?」


「「賛成!!」」


 こうしてワタシは、残りの卵を使って、再びマヨネーズを作ることになった。


「次はこういうのはどうです?」


 次にワタシが作ったマヨネーズは、瓶のような器に入れ、その器の先には星形の穴のあいた、金具を装着しているのだ。

 そこから水魔法の【操水】で操り、マヨネーズをひねり出すと、デコレーションされたマヨネーズが、綺麗な形となって出てくるのだ。


「なにこれ!?」「綺麗!!」


『ほう? これはまた見事だね・・・』


 そのデコレーションされたマヨネーズは、まるで花のように皿の上に盛られていく。


「それじゃあこれも食べるね!」「ああ狡い!」


 そんなマヨネーズに、さっそく姉妹がスプーンを入れようとする。


「ちょっとまってください!」


「「!!」」


 ワタシがその姉妹の行動を制止すると、二人とも困惑の表情を浮かべる。


「忘れてしませんか? マヨネーズは調味料なんですよ?」


 ワタシは立てた人差し指を振りつつ、そう姉妹に口を入れる。


「次はこれを試してみてください!」


「「長瓜!?」」


 ワタシがそこに出したのは、細長く縦に数本切られた、ここらで長瓜とよばれる野菜だ。

 この長瓜は、細長い形状をした緑色で、黄色い縞模様が入った野菜だ。見た目はキュウリにも近いが、棘はなく、味はキュウリに近いが、どっちかというと瓜よりという奇妙な野菜だ。

 まあ要するに定番の、スティックキュウリのマヨネーズ付けをやりたいのだが、キュウリがないので仕方なくその味に近い物を代用したのだ。


「ではワタシからいただきますね・・・・」


 姉妹が不思議そうに、ステック状に切った長瓜を手に取り見ているので、ワタシが見本にと先に、マヨネーズに長瓜を付けて、食べてみることにする。


「カリ・・・・! しゃくしゃく」


 しゃきしゃきとした長瓜が、口の中でマヨネーズと合わさり、まろやかな食感になっていく。そして後引く味だ。これはいくらでも食べたくなる。やはりマヨネーズとこの長瓜の組み合わせは抜群だ。


「ううっ! 美味しい~!!」


「これなら嫌いな野菜でもいくらでもいけるよ!」


 ワタシに続き姉妹も、長瓜をマヨネーズに付けて、一心不乱に食べ始めた。


『ボクにもお願いするよ・・・・』


 その様子を目を丸くして見ていたカロンが、自分にもスティック長瓜のマヨネーズ付けを要求してきた。


「ああ! 済みませんカロン!」


 気付けば一心不乱に食べていたワタシも、カロンの前にスティック長瓜のマヨネーズ付けを、小皿によそって差し出す。

 するとカロンはそれはバリボリと、長瓜に食らいついていた。よほど食べたかったのだろう。


『美味いね・・・。これはお酒のお供にもいけそうだ』


 口いっぱいにマヨネーズを付けつつ、カロンがそう感想を漏らした。どうやらカロンは、お酒もいけるらしい。

 

「なくなっちゃったね~・・・・」「なくなった・・・・」


『・・・・』


 そしてまたもやマヨネーズは、全て食べつくされてしまった。

 ちなみに残った卵の白身は、メレンゲクッキーにして頂いた。オーブンがないので少し苦労したが、フライパンで悪戦苦闘しながら作ったよ。これも好評で、すぐに全部なくなったけどね。





「私・・・・魔法使えたかも・・・・」


 そんな日々を送りながら、丁度一週間が経過した頃・・・・

 ついにセリアちゃんが、魔法に目覚めた。


 お読みくださりありがとうございます!!


 マヨネーズが好きな方★

 冒険が好きな方★

 食べるのが大好きな方★


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