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14:森の探索とマヤ

14:森の探索とマヤ



「マヤちゃん森での気配の隠し方上手いね・・・」


 現在ワタシは、セリアちゃん、メルちゃんと共に、森の探索をしている。ついでに猫砦を出る時に、カロンによってつくられた水の精霊が1体、メルちゃんの後ろからついてきた。きっと護衛のつもりなのだろう。

 ワタシ達の目的は、鳥の卵を見つけ出すことだ。どうやらセリアちゃんが、鳥の卵の見付け方を、知っているらしいのだ。


「村で少しだけ習いましたからね・・・・」


 森での気配の消し方は、ヴィルおじさんから教わった。最近は木々の上を渡り、移動することが多いので、こんな風に地上だけの移動は新鮮に感じる。


「ちょっと待って!」


 しばらく歩くとセリアちゃんが、何かの気配を感じ取ったようで、全員の足を止める。


「どうしたんですか?」


 セリアちゃんは耳をあちこちに動かし、鼻をぴくぴくとさせて、森中の気配を感じ取っているようだ。


「ビッグボアね・・・間違いないわ・・・」


「ひぃ~ん! お姉ちゃん・・・・」


「だからメルは来るなと言ったのに・・・」


 セリアちゃんの言葉を聞いたメルちゃんが、怯えたようにセリアちゃんの後ろに隠れる。


「ビッグボアはどちらの方向で?」


 ワタシはそのビッグボアのいる位置を、セリアちゃんに確認する。


「あっちの方・・・・」


「他に脅威はいませんか?」


「今のところそのビッグボアだけよ・・・」


 獣人の気配察知能力は、とても優れていいて便利だ。まだ姿すら見えない、ビッグボアの気配を探知可能なのだ。


「ちょっと行ってきます!」


「あっ! マヤちゃん・・・!」


 ワタシは木々を飛び移り、上方に移動すると、いっきにビッグボアのいる方へと移動した。護衛は水の精霊に任せておけば大丈夫だろう。


「ビッグボア!!」


「ブギィ!!」


 ワタシはビッグボアを見付けると、木々の上から、その背中に一気に飛びついた。同時に帯刀している黒塗りの短刀を、腰の鞘から抜き放つ。


 ズシャ!!


「ブギィィィィィィ・・・・!!」


 そして一気に、ビッグボアの頸動脈を、その刃で斬り裂いた。ビッグボアは断末魔の鳴き声を上げ、そのまま地面に倒れ伏した。


「マヤちゃんには森で気配消して移動するのとか・・・・あまり意味ないかも・・・・」


 気付くと呆れ顔でそんなことを言う、セリアちゃんの姿があった。まあ森で狩りをするなら、気配を消すのは必要なスキルだが、セリアちゃんもそれを知った上で、皮肉を言っているのだろう。

 メルちゃんと水の精霊は、そんなセリアちゃんの後ろに仲良く隠れてこちらを見ている。


「今夜はお肉ですね!!」


「やった・・・!」


 ワタシのその言葉に、メルちゃんは満面の笑顔になる。メルちゃんはお肉大好きだからね。


 ギャアギャア! ズーズー・・・・・!


 するとその気配を察したのか、森の鳥たちが、一斉に鳴き声を上げ始めた。


「さっきので鳥たちが警戒を強めたかな? でも鳥の位置だけは掴めたかも・・・・」


 耳をぴくぴくとさせつつ、セリアちゃんがそう答えた。


「もしかしてそちらに卵が?」


「ある可能性はあるよ・・・・。でも警戒を強めた鳥たちが、巣の守りを固め始めたかも・・・・」


 巣の守りを固めた鳥は、卵に近付く人間に襲い掛かるのだ。その上この森の鳥のサイズはとても大きい。掴まって上空に連れて行かれれば、まず命はないだろう。ワタシもここらでそんな巨大な鳥を、始めて目撃したので、鳥との戦闘経験は皆無だ。だが卵のためなら、やってみる価値はある。


「案内していただけますか?」


「いいわ・・・・。でもロック鳥の方はだめよ? 狙うなら小さなカッカポの方よ?」


「う・・・うん・・・」


 そんなところまで特定できてませんがな。というかロック鳥はわかるが、カカッポは知らない。

 さっそくワタシたちはセリアちゃんに案内され、その場所に向かった。

 




「あそこよ・・・・」


 セリアちゃんが指さす木の上には、大きな鳥の巣が見えた。


「ズー! ズー!!」


 というか小さいと聞いていたわりに、カカッポは大きく見える。ワタシの身長の半分くらいはあるのではないだろうか? あの巨体で飛べるのは、やはり魔力のおかげなのだろう。青い羽毛をもつそのカカッポは、巣からこちらを睨み付け、妙な鳴き声で威嚇してくる。


「いってきます!」


「無茶しないでマヤちゃん!」


 ワタシは一気にその木に飛び移り、鳥の巣の位置まで、木をつたい飛び上がる。


「ズズー!! ズー!!」


 カカッポとよばれた巨大な鳥は、ワタシが巣のある枝に飛びつくと、飛び上がり激しくくちばしでつつき、抵抗してくる。だが身体強化で固めたわたしには、そんな攻撃は、軽いデコピン程度の痛みしかない。

 見るとそこには、大き目の卵が、3つ産み落としてあった。


「悪いけどもらっていきますよ・・・黒渦・・・」


 ワタシは闇魔法の【黒渦】を使い、卵の収納を試みる。ところが【黒渦】では、卵を収納することは出来ないようだ。【黒渦】の欠点は、生き物を収納できないという点だ。

 仕方なくワタシは卵を一つ脇に抱え、そのまま木々をつたい、地面に飛び降りた。


「ズー! ズー!」


 カカッポはそのまま巣に居座り、こちらに激しく鳴き声を上げてくる。こちらをそれ以上追いかける気はなさそうだ。


「卵ゲットです!」


「わああ!!」


「行くわよ2人とも・・・・」


 ワタシは同年代のメルちゃんと、その喜びを分かち合うが、セリアちゃんに先を促されその後に続いた。

 こうしてワタシは、マヨネーズの材料の一つである卵を、手に入れたのだった。そして同時にこれは、マヨネーズの材料が揃ったことを意味していた。

 さっそく猫砦に戻ったら、マヨネーズを作らないとね!


 お読みくださりありがとうございます!!


 マヨネーズが好きな方★

 冒険が好きな方★

 食べるのが大好きな方★


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