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16:植物庭園とマヤ

 このボーロ村では水は貴重な資源である。それはこのボーロ村で水を得る手段が、雨水か井戸水という手段しかないためである。

 だがワタシは多くの果樹や作物、野菜を生み出し、植物庭園を造り出してしまった。その植物庭園を維持するためには、多くの水が必要となるのだ。


 そこでワタシは【森羅万象】のスキルを使い、水を得る手段を願った。すると水魔法の【操水】という魔法を、習得することが出来たのだ。


 習得魔法一覧

  

  水魔法 【操水】

  土魔法 【操土】【結晶抽出】

  生命魔法 【身体強化】

  闇魔法 【黒渦】

  精神魔法 【思考加速】

  植物魔法 【植物改良】


 残り奇跡ポイント4・・・・


 【操水】は水源を探知し、そこから水を操り、集めることが可能な魔法だ。空気中に漂う、水蒸気からだって、水を集めることが可能だ。

 この【操水】を習得したことで、畑の水やりも、格段に楽になった。周囲から指先に水を集めて、そこからシャワーのように、水を放出すればいいのだ。

 そしてその日、庭園の畑に水やりをしていると、丁度カロンが帰って来た。


『ただいまマヤ。ここも随分と様変わりしたね・・・・』


 カロンはシムザスの街に、用事で向かっていたのだ。このボーロ村に帰還したのは、出かけてから1ヶ月後のことだ。


『まさか君が魔物まで生み出していたなんて驚きだよ・・・・』


「魔物ですか? もしかして食虫植物のことでしょうか?」


 カロンが細い目をして睨みつけたのは、ワタシが胡椒を創ろうとして、なぜか出来てしまった、巨大な食虫植物だ。


「その食虫植物は畑を荒らす害虫を駆除してくれるんですよ。人間には興味を示しませんから安全です」


 その食虫植物は、長く粘性のあるつたを使い、畑を荒らす害虫を捕まえて、食べてくれているのだ。


『害がないのはいいけど、あまり魔王のような真似は感心しないな・・・・』


「どうしてこれが魔王の真似なんですか?」


『遠い昔魔王は、君と同じ様な魔法を使って、この世界に多くの魔物を生み出したんだ・・・・』


 魔王がこの世界に生み出した魔物は、竜種や魔人など多岐にわたり、今でも人々を苦しめ続けているという。

 あのアースドラゴンやキラードラゴンも、魔王が生み出した存在らしい。

 魔人は多くの魔力をもつ、強大な存在のようだ。気まぐれに街や村を滅ぼすこともあるらしく、かなり危険な存在らしい。出来れば一生遭遇したくない人達だ。現在は魔族領とよばれる場所にいるらしい。


「安心してください。ワタシは純粋に村の人達が食べるための植物を、開発しているだけですから」


「そうだよカロンちゃん! このリンゴなんて甘くてしゃりしゃりしてて美味しいよ?」


 ペトラちゃんはもう住み着く勢いで、この庭園に居座っている。今日もリンゴを食べに来ているようだ。皆に供給が行き届かないので、いまだに身内にしか、木の実や作物をわけてあげられない。だがそのうち村全体に、開発した木の実や作物を、実らせる予定だ。


『ちょっと待ってよその木の実・・・!』


「え? リンゴに何か問題でもありました?」


『それ知恵の実じゃないかい!?』


「知恵の実ですか?」


 確か前世の世界でも、リンゴを知恵の実とよんでいた、神話があった記憶がある。この世界でも同じなのだろうか?


『知恵の実はねえ・・・・魔力を増やすことのできるこの世界で唯一の木の実さ。その木の実の存在が明るみに出れば、戦争にもなりかねない大変貴重な木の実だよ・・・・』


 どうやらこの世界での知恵の実の事情は、ワタシが前世でいた世界とは違うようだ。


「え!? ちょっと待ってくださいカロン! まさかこんなリンゴ程度で戦争になるなんてありえないですよ!」


『魔力が増えるっていうことはね、それ程のことなんだよ・・・・』


「ははは! こんなただのリンゴで魔力なんて増えるはずないですよ!」


 そう思ってリンゴを食べ、ステータスを確認してみると、なんと最大MPが2だけ増えていた。でも最大MPが増えることなんて、ここ最近よくあることだし、たった2増えたくらいで、なんだというのだろうか?


『その知恵の実一欠片で、魔術師が十年間修行して得た魔力と、同等の量の魔力量を得ることができるんだけど・・・・その意味が君に理解できるかな?』


 え? 普通は10年間修業しても、得られる魔力はたったの2なのか!?

 それが本当だとすると、ワタシの増え続けているこの魔力は、いったいなんだと言うのだろうか?


『それに人間は修行して得られる魔力にも限界があるんだ。衰えればその成長も頭打ちになるし、それ以上魔力を増やすとなると・・・・あとは特殊な手段しか、残されていないんだよ』


 カロンの言うことが本当なら、ワタシはとんでもない木の実を、創ってしまったことになる。そして前回奇跡ポイントが1加算された要因は、これじゃないかとピンときた。魔力が増える木の実なんて、この世界に来て、初めて食べたからね。

 そしてこのリンゴの存在は、隠さなければならないだろう。ただこの知恵の実を目にした村人もすでにいるので、カモフラージュが必要だ。


「カロン? このリンゴではいかがでしょうか?」


『それは見た目はそっくりだけど、知恵の実ではないから問題はないよ』


 ワタシがカロンに差し出したリンゴは、知恵の実から最大MPが増える効能を、とりさったものだ。その見た目は赤光しなくなり、若干黄色味がかってもいる。

 リンゴはペトラちゃんのお気に入りでもあるし、これからはこっちのリンゴを、食べてもらうことにしよう。

 知恵の実は、庭園の裏にある誰にも行けないような、崖の上に移動しておいた。せっかく創り出した木の実を、なかったことにするのは忍びないからね。


 その数日後、ペトラちゃんに水魔法が目覚めたと、ヴィルおじさんが知らせに来た。

 どうやらワタシ・・・・やっちまったらしい・・・・

 お読みくださりありがとうございます!!


 マヨネーズが好きな方★

 冒険が好きな方★

 食べるのが大好きな方★


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