ごめんね。しかない
三女を出産後、私はPMS(月経前症候群)がひどくなった。
感情が不安定になっていつもはイライラしないことに対してもすぐにイライラしてしまうし、
気分の落ち込みも酷いし、何に対してもやる気が起きない。
だからといってやらないといけないことができなかった時には自己嫌悪に陥ってさらに落ち込む。
旦那への八つ当たりもすごい。
もうピーク時には「話かけるな」オーラを出してしまう。常に不機嫌な顔つきだと思う。
数分起きに大きなため息をついて、歩く時は大きな足音を立てて歩く。
一言、「今絶賛PMS中だから、調子悪いんだよね。ごめん」って言えばいい。言えばいいってわかってるけど、
その一言を言う余裕もない。
旦那はその症状をよくわかってくれているみたいで何も言わずに黙っていてくれる。
イライラして子供を必要以上に怒ってしまった時も私を責めずにいてくれるし、
少し、私に1人の時間を与えてくれようとする。
「息抜きにスタバにでも行ってきたら」とか「温泉行ってきたら」とか言ってくれる。とても気を使ってくれる。
でもその言葉もPMS中の私には私のことを責めてるようにも捉えてしまうし、そこで行ってしまったら「ダメな母親・・・」とまた自分を責めてしまう。
だからもう本当にPMSが私の中から消えるのを待つしかない。
しかも、私のPMSはどのタイミングで来るかわからない。
月経前に来る時もあるし、月経が始まってから来る時もある。
今回はPMSなかったなぁ〜と思ったら月経が終わってから来る時もあるからとても厄介だ。
そのPMSとうまく付き合いながらいつも通りの育児と家事と仕事をこなしていかなきゃいけない。
でもどうしても、どう頑張ってもPMSが私を蝕む・・・。
旦那は仕事が終わるのが遅いので、平日はだいたい私が三姉妹をお風呂に入れる。
PMS中じゃなくても三姉妹をお風呂に入れるのってかなり大変でなかなかスムーズにお風呂から出ることができない。
お風呂入れることが本当に私にとって負担。いや、お風呂入れるだけなら楽かもしれない。
お風呂出てから体を拭いて、パジャマを着せて、長い髪をドライヤーで乾かして・・・
終わりが見えないくらいに思える時もある。
PMS中のお風呂はPMS中じゃない時の100倍以上負担に感じてしまう。
お風呂の中でかならず喧嘩する次女と三女。おもちゃの取り合いだ。
それでもイライラしてしまうし、永遠と終わらない長女の今日の出来事の話。その話を聞く余裕なんて微塵もなくて静かにしてほしい。と思ってしまう。
もう限界超えると「うるさい!!!」とか怒鳴ってしまう。
長女は小学2年生だから私が怒鳴っても黙ってない。言い返してくる。それに余計イライラする。
もうブチギレ状態の精神ギリギリ状態でお風呂を出て、まともにできない自分のスキンケア。それがチリツモになって肌がゴワゴワ、荒れてる肌を鏡で見てまたため息が出る。そしてイライラが積もる。
なかなかパジャマを着ない三姉妹・・・そこでまた「早く着なさいって!!!!」と怒鳴ってしまう。
私も急いでパジャマ着て、スキンケアして三姉妹の髪を乾かして・・・
次女と三女は髪を乾かす時ですからじっとしてくれないからまたそこでイライラする。
もう濡れててもいいや・・・と思って「もういいよ、」と言うと「まだ乾いてないやん!」と文句言ってくる。
文句言うならじっとしといてよ・・・ってなる。
なんで私ばっかり・・・なんで私だけこんな大変な目にあわないといけないの。仕事だってフルタイムでしてるし、朝も夜も私1人で家事育児してる。
既にもうキャパオーバーだった。
言うこと聞いてくれない子供達に怒鳴ってしまう自分にまた嫌悪感を抱いた瞬間、心の中で何かがプツッと切れた。
その瞬間、スマホを持って旦那にLINEした「なんで私ばっかりこんな大変な思いしないといけないの」でもそんなLINEしたところで私のイライラとモヤモヤと悲しさは微塵も消えない。
旦那から帰ってくるLINEは「ごめん、終わったらすぐ帰るから」と。仕事終わってすぐ帰るのなんて当たり前。仕事早く終わるせて帰ってきてほしい。
ほしいLINEの返信と違ったことに対してもまたイライラが倍増する。
LINE画面に迎えてる目線の端っこで三姉妹はまた好き放題してる。テレビに夢中になってる長女、次女と三女はおもちゃの取り合いで喧嘩して2人とも大泣き。
咄嗟に出た言葉が「いい加減にして…これ以上ママを困らせないで!!もうママ出ていくよ!もうママ辞めるよ!!」ママ辞めるなんて本音じゃない。でも今の私にはここまで言わないと気が済まなかった。
すると三姉妹は一斉に私の方を向いて大人しくなった。長女はテレビを切って明日の準備を始めた。次女と三女は喧嘩を辞めてお片づけを始めた。
それでも私は寝る直前までずっとイライラしてた。
寝かしつけの時、長女は「ママ、怒らせてごめんなさい」、次女は「ママ、今日ごめんね」、三女は「ママっ!」と言って私の顔を見て私の大好きな満面な笑みを見せてくれた。
いつもならそこで「いいよ、ママも怒りすぎてごめんね」と言えるはずなのに、今日は言えなかった。意地でも言いたくなかった。
出た言葉が「早く寝なさい」だった。もちろん本音じゃない。
困惑しながらも三姉妹は今日も学校や保育園で疲れたのだろう、すぐに寝落ちた。
私は布団から出て三姉妹の寝顔を見た。寝顔は赤ちゃんの時から変わらないスヤスヤと可愛い寝顔。自然と涙がポロポロと溢れてきた。
三姉妹の1人ずつの手を握った。
長女の手はいつのまにかこんなに大きくなって、鉄棒頑張ってるから手のひらにできた豆も硬くなってる。いつか私の手の大きさを越すんだろうか、そのいつかってきっと一瞬なんだろうな。ごめんね、こんな余裕ないママで。お話、ちゃんと聞けなくてごめんね。大好きだよ。
次女の手も、ついこないだまで赤ちゃんだったのに、プニプニの手は健在だけど、大きくなったなぁ。いつもこの手でママの手を探してママの手を繋いでくれてありがとう。いつも愛を伝えてくれてありがとう。
三女の手はまだまだ小さくて、柔らかくて可愛いばかり。この手でいつもママをギューってしてくれてありがとう。今日は怖い思いさせてしまってごめんね。
涙がどんどん溢れて声を抑えきれないくらい泣いてしまった。泣きながらも「ごめんね、大好きだよ」と言いながら三姉妹のほっぺたにキスした。
長女が生まれた日、次女が生まれた日、三女が生まれた日。こんなに幸せなのか、こんなに愛おしいのか。優しくていつも余裕があってニコニコなママでいようと誓った日。忘れるわけないのに、ごめんね、いつも本当にごめんね。ママを支えてくれてるのは三姉妹なんだよね。明日からまた気持ちを切り替えて頑張るからね。
朝、気持ちよく優しく「おはよう」を言おう。
そう誓って涙を拭いて、右腕で三女を腕枕して、右手で長女の手を握って、左手で次女の手を握り、幸せを噛み締めて私は眠った。




