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決意のまなざし



世界初の最新技術による、マザーメーカーの完成発表を目前に控えた、同社研究室内で起こった真実─




それを思い出す、ネリ博士。



その目には、揺るがぬ決意が─







─第1話─



2920年─。

マザーメーカー社・研究室内。




研究員A『コレで、世界の戦争が終わりますね!』




研究員B『戦闘アンドロイドでも、派遣出来る!』




室長『そんな目的の為に、開発した訳ではない!』




研究員C『室長!綺麗事は辞めましょう。』




世界初の人工知能搭載型のロボットを生み出せる機械・マザーメーカーの完成発表記者会見を目前に控えた研究室内では毎日の様に、口論が起きていた。



元々は、老人介護だったり、人間では難しい危険な仕事や、人助けを主とした商用利用の為の開発だった……はずだ。




それが、いつしか海外の傭兵事業にも声を掛ける形で軍事利用される事を視野に入れ、戦闘する事を前提とした開発である事を、会社の上層部の通達により、途中から知らされる事となる。




当然の事ながら、室長は人の命を奪う為の、軍事利用には反対だった。




だが─

反対意見は室長と研究員1人のみで、マザーメーカーの根幹とも言えるスキャン機能にも武器類を持たせた状態でスキャン出来る様にと、他の研究員の手によって、手が加えられていった。



望まぬ開発が進む中での反対意見は、当然会社からの不穏分子として、研究室のみならず、会社の上層部からも危険視されていた。




そんなある日。

反対意見を述べていた研究員が出社しておらず、そのまま音信不通になったと、出社前のテレビニュースが流れた。




このままでは、危ない─!




当然危険な香りを感じ取った室長は、その日を境に会社へ行く事を辞めた。





数日後─

ネットを含めた世界の見出しでは、マザーメーカーを取り上げ、テレビでも大々的に記者会見が行われた。



世界初の人工知能搭載型のロボットが生み出せる機械!と銘打たれ、話題性もあったのだが─



その技術が、軍事利用にも手を伸ばし始めた事を世の中全体から否定され、業界最大手の会社の評判は奈落の底へ落ちる様に急落し、そのまま下降の一途を辿る事になる。




わずか5年で地に落ちた会社は、人々からその名を忘れ去られ様としていた─。





┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈





2935年─。

ネリ博士研究所。




『もう、15年も前の事になるのか……。』




転送装置を作るための作業の合間にふと、昔を思い出していた博士は、あの時に行方不明になった、反対派の研究員の事を思い出していた。




『ヒロ……。君の子は、立派になったぞ!』




言いながら、研究所を1人見渡した。



アイツが今この場に居たら、何て言うだろうか…。


フッと、微かに口元に笑みを浮かべながらも、その手にはコーヒーが握られていた。




会社に行かなくなってから個人宅を改装し、小さな個人研究施設を開設した。



元同僚を含めて、周りには決してバレない様にコツコツと設備を整え、マザーメーカー社の研究室には遠く及ばないまでも、自らが志したアンドロイドによる本来の商用利用の為の研究に、残りの人生を全て掛けようと決めた。



そんな事を思い出しながら、動かしていたその目で部屋の一点を見つめると、




()()()()()、奪われる訳には行かない。』




誰に聞こえる訳でもないが、そう呟いた。



今、アレがマザーメーカーの軍事利用に携わっていた奴らの手に渡れば、きっとこの独立戦争は彼らに支配される形で、最悪な終わりを迎えるだろう。



もとより、アレを持ち出した事実が明るみになれば、彼らから命を狙われる事になるかもしれない。



そう思うと、絶対に渡す訳には行かなかった。



アレを守る為なら、現状レジスタンスに協力する事も仕方なかった。




ワタシの命に変えても、必ず守り切る!




そう、強い目で覚悟を決めた博士であった。






強い決意を胸に、自らの研究所で守るべき物を再確認したネリ博士。




果たして、アレとは─?!




今後の展開を、お楽しみに─



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