803
どっちが悪いんだ?
-803人間以外の面接㊹-
「今か今か」と待ち望んだ瞬間がやって来たというのにどう考えても「今は違うだろ」と言いたげな表情をする3名、志願者の今までの努力が虚しく散っている様にも見えるが出前業務が出来る様になっただけでも幸運に思うべきではなかろうか。
リヴェロ「あの・・・、まずかったですかね?」
勿論リヴェロは全く悪くはない、言ってしまえば誰も悪くはないのだが偶然タイミングが悪かったのだ。リヴェロの虚しそうな表情を見て気の毒さを感じているのは俺だけでは無いはず、しかしやはり今ではなかったのか・・・。
好美「ごめんなさい、リヴェロさんは悪くないんです。」
うん、俺が言ったとおりだね。
好美「どちらかと言うと・・・、デカルトさんが悪いんです!!デカルトさんが!!」
リヴェロ「えっ?!国王様に原因が?!」
敢えて言わない様にしていたのだが状況的にどう考えても国王がトイレの芳香剤を持って来てしまった事が原因となっている、ただ「相手が相手なだけに指摘しづらい」と考えていたんだ・・・。やはり好美は言っちゃうか・・・、好美だもんな・・・。
好美「何よ、正直に指摘して何か悪い?」
わ・・・、悪くは無いですよ?ただ「言い辛いな」と躊躇わなかったんですかね?
好美「躊躇ったよ、でも国民の前で一国の主がしっかりしている所をちゃんと見せないとって思ったんだもん。」
お気持ちは分かりますよ?でもそれはこのみさんの役割じゃない様な・・・。
好美「良いじゃん、どうせこれからは同僚(支店のオーナー)として働く仲なんだから。」
そっすね・・・、大変失礼致しました。
原因を作ってしまったのはやはりデカルトだ、ここは国王として誠意を見せるべきでは無いだろうか(と思っているだけ・・・)。
デカルト「リヴェロさん、私が指示した事なのにちゃんと目の当たりに出来なくて申し訳ありません。宜しければ改めて私達に成果を見せて頂けませんでしょうか。」
飽くまで下手に出る上級鳥魔獣、たとえ志願者と言えど国民の1人なので敬意を忘れていない様だ。
リヴェロ「国王様が御自ら私めに、これ以上ない光栄に御座います!!勿論、全力でやらせて頂きます!!」
デカルト「だから私は・・・、ん?」
改めて「これから自分の事を国王と呼ぶな」と伝えようとしていたデカルトを制止する好美、その心中はいかに・・・。
デカルト「あの・・・。」
好美「折角リヴェロさんがやる気になっているんです、このまま見守って頂けませんか?」
本人の表情から好美がリヴェロへかなり期待している事が伺える、今は静観するのが1番だがデカルトはどう思うのだろうか。
デカルト「そうですね、好美さんの仰る通りです。静かに見守っていましょう。」
2人の目線の先で一息ついたリヴェロは改めて『人化』を半解除して背中から翼を出してみる事に、今度は上手く行けばいいのだが(先程成功した様だが念の為)。
その場に緊張と静寂が広がり始めてから数秒後・・・。
リヴェロ「出来ました!!」
好美「私もです!!」
えっと・・・、どうして好美が大声をあげたんだ?
デカルト「あの好美さん・・・、何が出来たんです?」
好美「この知恵の輪、やっと外せました!!」
デカルト「好美さん・・・、いつから知恵の輪なんかやっていたんですか?」
タイミング悪・・・




