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冗談では無くなって来たんだが?
-640 それでも好きな物は好き-
流石に混沌龍が冗談交じりに言った提案を真に受けて水魔法で酔っ払いたちを起こすとは思いたくない今日この頃、しかし比較的ノリの良い住民達が楽しく暮らしている世界なので十分にあり得るので今は何も考えずに傍観するだけにしておこうか。
ピューア「もう・・・、お父さんもイャンも勘弁してよ!!これで・・・、起きなさい!!」
上級人魚が右手を高らかに挙げると空中に巨大な水の玉が現れた、まさかと思うが本当にやる気なのか?!
ピューア「5秒前・・・、4、3、2・・・。」
あらら、ドスの利いた声でカウントを始めましたがガチなんですか?!
ピューア「1、1、1、1、1・・・。」
あっ・・・、これはヤル気の無いやつの行動パターンだから安心出来るってもんだ。
2人「やらんのか?!お前、はよせーや!!」
何やねん、あんたら欲しかったんかい。そんな事言ってると本当にやられてまうぞ、笑ってくれてる今の内に謝っとけ!!
ピューア「そんなにやって欲しいならやってやるよ、おりゃあ!!食らいやがれ・・・、『巨大名瀑』!!」
ガチでキレてしまったのか、先程浮かびあげた水の玉から壁の様な水流が勢いよく落下し始めた。その勢いは人が触れると重みと共に痛みを感じてしまう位の物だった、一先ず言えるのは「このニクシーを敵に回してはいけない」という事。
そんな水流はどんどん水の量を増していきながらと未だに眠る2人の頭上へと直撃していた、これはかなり痛そうだわ・・・。
2人「悪かったって、もう目を覚ましたからやめてくれ!!」
ピューア「あんた達の所為でどんだけ向こうを待たせていると思ってんの、反省して!!」
「全て2人が悪い」と言えば嘘になるが、「全くもって罪はない」とも言えない。一先ずもう1度だけ言っておく、謝っとけ!!
2人「悪かったって、ごめんなさい!!許して下さい!!」
あの・・・、2人共反省しているみたいですし結構痛そうにしてますのでそろそろストップしてあげて下さい。結構可哀想に見えてきましたからお願いで・・・、ってあれ?
結愛「おい!!俺は楽しく呑んでいただけじゃねぇかよ!!何で俺までやられてんだ!!」
ピューア「元々はあんたが2人を馬鹿みたいに呑ませたのが発端でしょ、寝言でとんでもない話までしてたんだから反省しなさい!!」
結愛「分かったよ、分かったからやめてくれ!!」
まさかティアマットの冗談がここまでの事態になってしまうとは、これも「何でもありの世界」が故なん・・・。
結愛「これは流石に無いわ!!反省しているから勘弁してくれ!!」
ピューア「本当に反省しているの?!聞こえないんだけど?!」
結愛「悪かったって、もう本当に勘弁してくれ!!」
ピューア「ちょっと、謝る時の言葉ってそんな物だったかな?!」
あれ?もしかして好美と同様にピューアもSに目覚めてしまったのか?
ピューア「ほら、分かってんの?!誠意を持って人に謝る時はどう言うんですか?!」
水の勢いはどんどん増していくばかり、これは下手すれば戦闘行為になりかねない。
結愛「えっと・・・、ピューアさんのお父さんと彼氏さんに泥酔するまで呑ませてすみませんでした・・・!!」
ピューア「分かれば良いのよ、分かれば。」
弱まっていく水の勢い、そして解放されていく酔っ払いたちと何となくホッとした俺。
イャンダ「あの・・・、今どの様なお気持ちですか?」
メラルーク「我が娘ながら・・・、めっちゃ怖いです・・・。」
遺伝ですか?