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634

電話に出・・・、いややめとこ。


-634 兄のスマホは意味がない?-


 流石に困った、理由は多々あったが副店長ピューアの研修(?)にかなりの期間をかけてしまった為に「流石に謝らなくては」と思っていたベルディに連絡が取れない。ただ「もしかしてスマホを手元に置いていないだけなのでは」と思った上級人魚ニクシーが機転を利かせて「竜騎士の館(言ってしまえば家電)」の番号へかけてみる事にした、するとコール音が数回鳴った後にベルディの妻である女将のネイアが電話に出た。


挿絵(By みてみん)


ネイア(電話)「お電話有難うございます、こちら「竜騎士の館」でございます。」

ピューア「その声は・・・、女将さん?」


 久々に聞いた声に安心するピューア、しかし今はちゃんと用件を言わなくては。


ネイア(電話)「あらま、ピューちゃんじゃないの。研修が結構長引いているみたいだけどどうしたのよ、大丈夫な訳?」

ピューア「別に大した事では無いんです、父から学ぶ事が沢山ありすぎてこれでもまだ足りない位なんですよ。」

ネイア(電話)「そうなの?ただうちの人もだけど旅館の皆が心配しているから出来るだけ早く帰って来てね?」


 正直何事も無かったら今頃旅館の居住部分でゆっくりお茶を楽しんでいるはずなんだが、しかし過去を塗り替える事は誰にだって出来ない。


ピューア「あはは・・・、私もそうしたいです。」

ネイア(電話)「それで?今日はどうしたの?いつもなら『念話』を使うかスマホに連絡してくるじゃない?」

ピューア「すみません・・・、先程旦那さんに連絡したんですが出なかったんでこの番号にかけたら旅館の方が伝言でもしてくださるかなと思いまして。」

ネイア(電話)「そうだったの・・・、だったら私のスマホにかけてくれても良かったじゃないの。」

ピューア「ごめんなさい、そこまで気が回らなくて。」


 ネイアにはその理由が「酒を呑んでるから」だなんて決して言える訳が無い、言ってしまうと想像している何倍ものお説教が待っていそうで本当に怖い。


ネイア(電話)「なら良いけど。えっと・・・、うちの人よね?」

ピューア「はい、もしかしてお出かけになっているとかですか?」


 外出の際にスマホを持ち歩いていないとなると正直持っている意味が無い様な気がするのだが、一先ず女将エルフの話を聞いてみるとするか。


ネイア(電話)「いえ、それどころか数日前から部屋に籠りっきりなのよ。」


 いち旅館の主人が部屋に籠っているだなんて、何か問題でも起こったと言うのだろうか。


ピューア「因みに女将さんは原因をご存知なんですか?」

ネイア(電話)「そうね・・・、強いて言うならあんた達かしら。」

ピューア「私達・・・、ですか?」


 数日どころか数週間の間ベルディに会ってもいないと言うのにどうして「自分達が原因だ」と疑いをかけられないといけないのだろうか、流石にイラっとしてしまうが今は落ち着いて話を聞くのが先決だろう。


ピューア「あの・・・、恐れ入りますがどういう事ですか?」

ネイア(電話)「ごめんなさい、悪い意味で言った訳じゃ無いのよ。実はピューちゃんやイャンがそっちに行ってから結構経ったある日の事なんだけどうちの人が「2人共、特にピューちゃんはかなり頑張っているんだな」って言い出してね、それから「俺も2人の為に何かをしてやりたい」とずっと部屋に籠っている訳なのよ。」

ピューア「それはそれは・・・、本当にごめんなさい。」

ネイア(電話)「いえ、謝らないで頂戴。うちの人って思い付きで動く事が多くて言い出したら聞かない人なのよ。」


 言ってしまえば真希子と同じタイプという事か、でも部屋にずっと籠って何をしているっていうんだ?


ネイア(電話)「そう言えばなんだけど・・・、あんた達の店から大きな鍋を運び出して自分の部屋に持って行っていた様な気がするのよね・・・。」

ピューア「「大きな鍋」ですか・・・、寸胴ですかね・・・。」

ネイア(電話)「それから野菜やお肉を大量に買い込んで部屋に持って行っちゃってたのよ、何をしているのかを私が聞きたい位なのよね。」

ピューア「そうですか・・・、いくら何でも不自然ですね・・・。」


お料理ならキッチンでやれよ・・・。

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