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618

焦りすぎは禁物よ?


-618 流石にそれだけはやっちゃ駄目じゃないの?!-


 流石に「香りだけですっとお預けにされていたから」と言って許可を取る事無く勝手に盛り付けるのは良くない、しかし俺個人としては美麗の気持ちも分からなくも無いので何も言わないでそっとしておく事にしようか。


挿絵(By みてみん)


美麗「ごめん守君、手が勝手に動いちゃって・・・。」


 事前に「やってはいけない」と言われていた事をやってしまった時等に誤魔化す目的としてよく使われる言葉だと思う、ただし美麗の場合は外で先程まで結愛と呑んでいたはずなのでどう考えても計画的犯行にしか思えない。


好美「気にしないでよ、それにさっきお詫びの料理としてこのハヤシライスが食べたいって言ってたじゃないの。」


 確かに美麗はその様に供述していた、しかし好美が独断で許して良い問題では無いと思われるのだが。


守「仕方ない奴だな、「駄目」と言ってももう盛り付けちゃってるから「時すでに遅し」って感じじゃ無いか。」

好美「それに試食係が必要だったんじゃない?いい方向に考えようよ。」

守「いや、所々で味見はしていたから必要な・・・、んがっ!!」


 「空気を読めよ」と言わんばかりの肘鉄を喰らわされる守、何となく可哀想だが仕方ないと言えば仕方ないのかも知れない。


美麗「好美の言った通りだよ、それにやっぱり作った人自身にはそれなりの先入観が生まれてしまうと思うからやっぱり他の誰かに食べてもらうのが良いんじゃない?」

守「良いけど・・・、本当は最初の1口をメラルークさんに楽しんでもらおうと・・・、んがっ!!」


 再び肘鉄を喰らってしまった守、料理を食われた上での事なので散々だなと思わず同情してしまいそうになるが何となく本人の顔がニヤケついている様な気が・・・。


美麗「流石は変態の守君だね、好美の肘鉄で顔が笑ってるよ。」

好美「もう・・・、私はそんなつもりでやった訳じゃ無いんだけど。」


 彼氏の変態さ加減にため息をついてしまう好美、きっとこれからもずっとこうやってため息をつく事が絶えない気がしてならない。


守「それは良いとして・・・、味の方はどうだ?曲がりなりにも試食係なんだからちゃんとしてくれよ?」

美麗「酷い、私だってちゃんと味の評価を伝えるつもりでいるだから!!」


 少しムスッとした表情をしながら自分が好きな様に盛り付けたハヤシライスにスプーンをつける美麗、ただ先程から店中に広がっていた芳しい香りを間近に嗅いだ瞬間に思わず顔が綻んでしまっていた。


美麗「いっただっきまーす!!」


 「お前遂に女を捨てたか?」と言われる位に大きな口を開けて食らいつく美麗、何と言うか腕白だな・・・(いや「ガキだな」と言った方が良かったか)。

 ただ問題は次の瞬間だった、口いっぱいに1口目を頬張ると美麗は何故かそのまま動かなくなってしまった。


好美「美麗・・・?美麗・・・?」


 未だに動こうとしない美麗、何が起こったと言うんだ?


好美「美麗が動かない・・・、ちょっと守!!まさか料理に毒でも盛ったの?!」

守「そんな訳無いだろう、この店に毒物があるってのか?!」

好美「ある訳時無いじゃん、飲食店だよ?!」


 河豚でも扱ってはいない限りは毒物は存在しないはずだ、その上好美はこの店のオーナーなので在庫等における全ての状況を把握しているのでその言葉には説得力があった。


好美「美麗・・・、起きなさいよ、馬鹿!!」

美麗「起きてるって、たかがハヤシライスで死んでる訳無いじゃん!!ただ今の「馬鹿!!」は本心な訳?!」

好美「いや・・・、「松龍」にいた頃に昼寝をしてた美麗を「馬鹿!!」って呼んだら即座に起きていたイメージがあるからさ・・・。」


ほへ?

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