605
今回も脱線するんだろうな・・・(棒読み)
-605 そんな事してる場合か?-
俺の所為で(?)守が馬鹿になったかどうかはさておき、好美が守の『アイテムボックス』の中に入ってから数分が経過した。正直創造主(作者)である俺の立場からすると「長編1作目の時の守ってこんなキャラだったかな・・・」と思ってしまう、恋人にこれ程までの疑いを持たれるとなると相当な変態キャラが根付いたのではなかろうか。
守「やめろって・・・、俺を創造主(お前)と一緒にすんなよな。」
あのさ・・・、聞かせて貰うけど俺がいつ自分の事を「僕は変態でぇっす!!」って自己紹介したってんだよ。
守「した事は無いと思うけど・・・、ただ俺だってそこまでの重度な変態じゃねぇって事はちゃんと言っておかないといけないと思ってさ。何か悪かったよ・・・。」
まぁ別に構わないさ、ただくどい様だけど君の彼女さんって中に入ってから結構経つんじゃないの?
守「確かにな・・・、そこまで探し回る程俺の『アイテムボックス』って広い物じゃないと思うんだけどな・・・。」
守はこう言っているが元々『アイテムボックス』の中は無限に広がる異次元空間となっているのでたとえ「狭い(広くない)」といっても探し物をするのには相当な時間を要する、ただ持ち主によって中の状態などの特徴が変わるので「自分の物と同じ」と思うと痛い目を見てしまう様だ。
中々出てこない好美の事が段々心配になって来た守は出入口を無理矢理こじ開けて声をかける事に・・・、と言わせといて本当は別の案件を心配しているんじゃないのか?
守「馬鹿言うな、俺は心の底から好美の事を心配してんだよ!!」
あらま、大変失礼致しました。取り敢えず中にいるはずの好美さんは見つかりました?
守「明かりをつけているみたいだからすぐ分かると思うんだけど・・・、ここからは影すらも見え無いな・・・。」
一先ず呼んでみては如何でしょうか?やはり恋人の立場とすれば「そう遠くへは行ってない」と信じたいんじゃないですか?
守「そうだよな・・・、あんた偶には良い事言うじゃねぇか。」
(いや最初からそうしろよ・・・)ほら、早速彼女さんを呼んで見み下さい。
守「よし・・・、美麗!!」
おい、それお前の恋人じゃねぇだろうがよ!!流石に怒られるぞ!!
美麗「え?守君、私の事呼んだ?」
守「美麗・・・、いつからいたの?」
美麗「いや・・・、さっきからゴソゴソしてるみたいだから興味本位で。」
どうやら結愛に誘われて外のビアガーデンで一緒に呑んでいた様なのだが注文した春巻きが中々出てこないので様子を見に来たとの事、本当にただの偶然。
ただそれより・・・、中の方は大丈夫なんですか?
美麗「と言うか良く私がいた事が分かったね、ずっと『アイテムボックス』の中を覗き込んでいたのに。」
守「まぁ・・・、一応幼馴染だからかな・・・。気配で分かると言いますか・・・。」
誰だって幼少時代の楽しかった思い出が脳内にこびり付いて離れない事はあるだろう(俺は殆ど無い上に気配とは全くもって関係無いと思うけど)、守も例外では無く「松龍」で美麗と遊んだり食事をした時の事を覚えている様だ。
美麗「それにしても何で私の名前を呼んだの?」
守「何と言いますか・・・、ちょっとしたボケ?」
守自身は冗談交じりに言っているがそれ所じゃない気がする、『アイテムボックス』内で迷子になっているのは間違いなく守の「恋人である」好美なのだ(重要なので強調した)。
好美「守・・・、聞こえてるよ?」
守「こ・・・、好美さん・・・、いつからいらっしゃったんですか?」
え?まさかの修羅場?