604
あるならある、ないならないでハッキリしてくれ
-604 まだ続くんですか・・・-
頬を掻く守を横目に恋人の『アイテムボックス』へと体をねじ込んでいく「暴徒の鱗 ビル下店」のオーナー・好美、もしも彼氏の供述の通り本当にエ〇本が入っていないというのならその様なアクションは起こさないと思うのだが何となく怪しい・・・。
好美「入っていないんでしょ?だったら大丈夫だよね?」
守「まぁ・・・、そうなんだけど・・・。」
好美「何?やっぱり入ってんの?私という女がいると言うのに隠れてエ〇本をずっと読んでる訳?」
守「いや・・・、そういう訳では・・・。」
「いつになったらこの件は終わるんだろうな」って思ってたんだよな、早く食材を採りにいかないといけないもんな?!な?!
守「そ・・・、その通りだよ!!ただでさえかなりの時間が経っているというのにこれ以上メラルークさんを待たせる訳にもいかないだろう!!」
好美「誤魔化さないでよ、創造主までどうしてそんなに焦っている訳?!」
別に焦っている訳では・・・、別に俺は守君の『アイテムボックス』の中を見た事がある訳じゃないですからね?
好美「まぁ創造主の事は置いといて、中をちょっと見るだけだからすぐ終わるって。それに後ろめたい事なんて無いんだから大丈夫でしょ?」
守「まぁそれは・・・、そうなんだけど・・・。」
好美「じゃあ良いね?入るよ?」
そんなこんなで先程からかなりの時間が経過した後、やっとのこさで好美は守の『アイテムボックス』内へと体をねじ込み始めた。
好美「う~ん・・・、私のより出入り口が少し窮屈だな・・・。異世界に来てからの期間が短いからかな・・・。」
確かに好美の言っている事は間違っていないが異世界での生活期間と『アイテムボックス』のサイズ(出入口含む)は関係無い様な気がする、ただいちいちツッコミを入れていると話が進まないので今はそっとしとこうかな。
守「好美、どうだ?」
好美「う~ん・・・、結構真っ暗だね。明かりとかってある?」
デルア「明かりなら入ってすぐの所にスイッチが無かったかな?」
家の風呂場か。
守「えっ?!明かりあったんですか?!」
知らんかったんかい。
デルア「ほら、入ってすぐ右の所に「『アイテムボックス』照明」って書いてあるスイッチがあったと思うんだけど。」
守「そうなんですか?!好美は明かりの場所分かる?」
好美「ちょっと待ってね・・・、これかな・・・。」
上半身だけを『アイテムボックス』の中に入れた好美がゴソゴソと動いている、何と滑稽な光景なんだろうか。
好美「ちょっと・・・、さり気なく何駄洒落言ってんの創造主。」
いや・・・、そういうつもりは・・・(口笛)。
デルア「何とか誤魔化そうとしたな・・・。」
守「めっちゃ下手くそでしたけどね・・・。」
改まったかの様に好美の方へと振り向く店長達。
デルア「と言うかさ・・・、この光景って正に・・・。」
守「あれですね・・・、「頭隠して尻隠さず」って奴ですよね?」
好美「上手くないけど?」
あらら・・・、聞こえてたみたいだな・・・。
好美「どうしてくれんの、創造主の所為で守が馬鹿になっちゃったじゃん!!」
俺?!




