602
『アイテムボックス』で遊ぶなや・・・
-602 今必要な物?-
呆然とする元黒竜将軍と「暴徒の鱗 ビル下店」のオーナーを横目に守は誰も居なくなった(と言っても元々人が入る様に出来てはいないはずなんだが)『アイテムボックス』の中に上半身を突っ込んだ、しかし店長にはどうしても納得できない事が1つ。
デルア「なぁ守・・・、全体を見廻してみたけど食材なんて殆ど見当たらなかったぞ?エ〇本はいっぱい出て来たけど。」
正直最後の一言が余計に思えるが誰しも1つは秘密を持っている物だと思われる、ただ今は関係無いか。
好美「守・・・?」
外の声が中からは聞こえづらかったからか、守は焦りながらも好美が睨みを利かせてから数秒後に出て来た。
守「デルアさん、何言ってるんですか!!俺が何処にそんな物を隠しているとでも言うんですか?!」
先程以上に焦っている様に見える所からどうやら「1冊も無い」とは言い切れない様だ。
デルア「えっと・・・、ベッドの下とかクローゼットの中とか?」
うん・・・、ベタ中のベタだな。
好美「何よ、創造主も隠し持っている訳?!」
いや、俺はどちらかと言うとDVDかな・・・、って何言わせんねん!!!今は俺の事はどうでも良いだろがい!!守の事とちゃうんか!!
好美「そうだよ、それで守は持っているって言うの?!」
今までの流れだからが故に言える事なのだがやはり『アイテムボックス』は外界から隔離されたプライベート空間である、という事は「隠し事などに丁度いい」と言っても良いだろう。
守「待てよ、だからって俺が持っているとは限らねぇだろ!!」
ほぉ・・・、「持って無い」と言うなら何でそんなに焦っているのかな・・・。
守「誰だって嫌だろうが、変なイメージを持たれるのはよ。」
好美「だったら「変態彼氏」ってのは例外になる訳?」
守「それは・・・、ねぇ・・・。」
やはり恋人や腹違いの姉による「プロレスごっこ」の影響は相当大きい様だ、否定しようとしないのが何よりの証拠。
好美「もう!!守が否定しないって事は私自身に「変態の彼女」っていうレッテルが貼られるじゃん、私まで変態みたいに言われるんだから勘弁してよ!!」
デルア「ほう・・・、これは使えるかな・・・?」
今の言葉を聞いてすかさず店長に睨みを利かすオーナー。
好美「デルア・・・、何に使えるっての!!」
デルア「いや・・・、敢えて「変態」を前に押し出す事で宣伝になら・・・。」
好美「ならない!!イメージダウンも甚だしいよ!!馬鹿じゃないの!!」
今の今まで好美がイャンダやデルアに「馬鹿じゃないの!!」と言った事があっただろうか、無かった様に思えるがいつ言われてもおかしくは無かった様な気もする。
デルア「俺の事は良いんだよ、それより守は早く『アイテムボックス』から出さなきゃいけないんだろ?」
好美「何よ、やっぱりあるの?!エ〇本、あるの?!」
あの・・・、今出さなきゃいけないのって「エ〇本」でしたっけ・・・。
好美「やっぱり証拠品として提出してもらわないといけないんじゃない?」
いや、食材の方が先でしょ・・・。
エ〇本でハヤシライスは出来ません




