594
社員とバイトの区別をハッキリとする方法は色々とある、
しかし「社員だから」とか「バイトだから」とかは関係なく「共に働いている事」には変わらない、
それはきっとオーナーとて同じ事
長くなってしまった
-594 店長とオーナー-
前述した通り混沌龍を含めたバイト達の名札が店舗で作った簡易的な物である事に対してイャンダやデルア等と言った店長や副店長、ナイトマネージャー(現時点では「ビル下店」のみ)、そして好美やデカルト(予定)がなっているオーナーで構成されている正社員達はダンラルタ王国の採掘場で採れたミスリル鉱石の端材に名前などを彫った物となっている。因みにこれは余談だがこの名札は屋台での営業に向かった際にシューゴが採掘場のリーダーであるゴブリンキング・ブロキントに頼み込んだ特注品、ただ頼まれたリーダー本人も「勿体ないと思っていた端材を再利用出来る上に趣味感覚で作れそうなので遠慮なく言って欲しい」と申し出を快く受けたのだそうだ。
守「へぇ・・・、今創造主が言った通りだというならこの名札って結構値段が張るものなんじゃないですか?」
おいコラ、今俺の事「アホ」って言わなかったか?
デルア「いやそんな事無いらしいよ、創造主が言っていた通り「端材」らしいからお代はタダなんだそうだ。」
おいテメェもかコラ、俺には全部聞こえてんだからな?
守「でもこれってミスリル鉱石なんですよね?こんな良い物を社員どころか「暴徒の鱗」の関係者でも無い俺が身につけて良い物なんでしょうか。」
デルア「良いんじゃないの?たとえダメだったとしてもオーナー(好美ちゃん)がやった事だから俺は口出し出来ないし。」
いやデルアさん、あんた結構好美に対して口出ししてると思うんだが?元の世界を含めての事だけどあんた程好美に口出していた人なんて今までいなかった様に思えるのだが?
デルア「えっ、そうなの?今まで全然気づかなかった。」
今頃反応しやがったよ・・・、俺はあんたの目の前にいる転生者達の学生時代をも知っているから間違いないよ(守や美麗に関しては幼少時代からだったか)。
デルア「そうだったのか・・・、好美ちゃんと話す時に関しては改めて考え直さないといけないかもな。」
守「いや、「考え直す必要は無い」というか「考え直さない方が店の為」だと思います。」
デルア「そうなの?良かったら理由を聞かせてくれるかい?」
守「あの・・・、すみませんが何か書く物をお借り出来ますか?」
デルア「ああ・・・、じゃあそれ使いなよ。」
「好美が『探知』を使っているかも知れない」と思った守はすぐ傍にあったハンディ端末の故障時に使う為の注文伝票を1枚取り出して裏に「今までの好美の行動パターンを考えると結果的に「すぐ調子に乗る」可能性があります」と書いて見せた、それを見た店長は大きく口を開けて驚いていた。
デルア「それがあったか・・・、という事は「今まで通りの方が良い」って事だね?」
守「恐らく・・・、そうでないと次競艇で大勝した時に何をしでかすか分かりませんよ?」
デルア「確かにな・・・、あれは結構苦労したよ・・・。」
競艇でぼろ儲けした好美(や真希子)が大きな鮪や大量の野菜を買い込んで店の奥に突如出現させたが故に大騒ぎになった事を忘れた訳では無かったデルア、きっと「「もうあんな思いはしたくない」と願う人物が自分以外にもいるはずだ」と守の意見に賛成するばかりであった。
しかし2人の思惑は一瞬にして打ち砕かれる、次の瞬間2人は背筋が段々と凍り付いていく様な感覚がした。
好美「2人でコソコソと何話してんのかな・・・。」
2人は好美(を含めた転生者達)が有する魔力の強大さを忘れていたのだ、その上店長に至っては大切な事を忘れていたのでオーナーの機嫌をかなり損ねてしまったらしく・・・。
好美「デルア・・・、お客さんからの注文が入っているのに何も作ろうとしないで何でコソコソ話をしているのかな・・・。」
デルア「こ・・・、好美ちゃん!!今作ろうとしていた所なんだよ、悪かったって!!」
好美「もう作ったもん!!ヌラルに持って行って貰ったもん!!」
デルア「あら、そうだったんだ。ありがとうね。」
好美「「ありがとうね」だって?片づけが終わったから様子を見に来てみたら何もせずにコソコソ話しているだけなんて2人ともどういうつもり?!お客さん待ってんだよ!!」
デルア「いや・・・、あの・・・。すみません、面目ないです。」
守「えっ・・・、何で俺も怒られてんの?!」
完全にとばっちり・・・