582
それ位すぐ決めろや・・・
-582 聞き出したい事は聞けたか?-
転生者と吸血鬼の夫妻が「どちらが大食いである娘の食事を作ろうか」というごくごく一般的な我が意で議論していた間でも家庭菜園の中に仮設された「取調室」では「全知全能の神」を被疑者とした取調べ(の様なコント)・・・、ではなく未だに女同士の口喧嘩が続いていた。
好美「何よ、恋人なんだから守の事堂々と「大好き」って言って何が悪いって言うのよ!!」
この様子だと好美・・・、改め倉下警部は結構強気に出ている様だが相手が「一柱の神」の三女である事を忘れてはいないだろうかと心配になってしまう。
トゥーチ「だったら早く結婚しちまえよ、ウジウジとずっと同棲しているつもりかよ!!」
好美「そんなのあんたが決める事じゃ無いでしょ、神だか何だか知らないけど偉そうに言わないでよね!!」
どんどんヒートアップしていく口喧嘩を中々止めることが出来ないビクター、ただ何処かで誰かが止めないと話が進まないので何とかして欲しい今日この頃。
ビクター「まぁまぁ2人共、少しは落ち着きなさいって。」
2人「被疑者は黙ってろ!!」
あーあ・・・、遂に牙を剝いちまったよ・・・。これじゃ例えこの場に守がいたとしても止める事なんて出来ないよな・・・、と思っていたんだがあれれ?2人がどんどん近づいているが・・・、まさか・・・。
トゥーチ「お前な、俺が神だという事を自分でもちゃんと言っていただろうがよ!!」
好美「今はそんな事関係無いもん、守の事を馬鹿にしたのが許せないんだもん!!」
トゥーチ「俺がいつ守の事を馬鹿に・・・。」
2人は優しく唇を重ねた・・・。
2人「せーのっ!仲直り!!」
・・・っておい、紛らわしく往年のギャグをすな(※因みにしっかりと打ち合わせ済み)!!
ビクター「創造主さんの言う通りだよ。十二時は・・・、いや一時はどうなる事かと!!」
あんたもどさくさ紛れでギャグ入れて来んなや、全く何がしたいんだあんたらは!!
トゥーチ「「何がしたい」ってコントですけど?」
好美「いや、取調べですけど?」
だったら早く取調べを終わらせて守と合流しろよ、そうこうしているうちに収穫を終わらせたみたいだぞ?
好美「えっ・・・、そうなの?!じゃあ早くしないといけませんね、トゥーチ刑事!!いや、トゥーチ神様!!」
トゥーチ「水くせぇから「トゥーチ」で良いよ、それに何か好美とはタメ口で話したいからそうしてくれるか?」
好美「う、うん・・・。トゥーチ自身がそう言うなら・・・、そうする。」
「喧嘩するほど仲が良い」と言うが速攻で仲良くなりすぎじゃねぇのか?まぁ俺が気にしても仕方が無い事か・・・、ハハハ・・・。
ビクター「うんうん、これで一件落着だな。さて、ここから出る・・・。」
トゥーチ「訳無ぇだろ!!被疑者として倉下警部にちゃんと話せや、くそ親父!!」
どさくさに紛れてその場から逃げ出そうとしたみたいだが失敗に終わった様だ。
好美「それで?ビクター神様は守とどんな隠し事をしていたんですか?」
いやまだ聞けてないんかい、何となく予想はしていたんだがな。
ビクター「助言した・・・。」
トゥーチ「おい、「助言した」じゃ無くて「助言しました」だろうがよ!!自分がまだ被疑者である事を分かっていねぇみたいだな!!」
好美「まぁまぁトゥーチ刑事、ちゃんと話そうとしているんだから良いじゃ無いですか。それで?守にどんな事を助言したんです?」
ビクター「「お前の方から好美を探そうとするな」・・・、って守に・・・。」
好美「あんたが「守」って呼ばないで、守は私の恋人なんだから!!」
そっち?!