表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

572/666

575

たった数秒後の事・・・


-575 神同士と言っても親子-


 恋人達が2人に気を遣って下手に出ていた古龍エンシェント・ドラゴンに携帯の番号を渡すと「一柱の神」の三女は『人化』を解除して天界へと帰って行った(いや番号は必要無いんじゃね?)、トゥーチを見送った2人は空き時間が出来そうだったので光と共に家庭菜園へと向かおうとしていたのだが・・・。


トゥーチ「おい親父・・・、やっぱり競艇に行ってたか!!」

守・好美「その声はトゥーチ神様!!」


 案外(いや予想通り)早く見つけることが出来た三女が父親の耳を抓りながら天界から降りて来た、話が早くて助かるが単純すぎやしないか?


ビクター「おいおい、いくら何でも父親の扱いが酷過ぎるぞ!!」


 いや・・・、あんたの方が「それでも神かよ」と言いたくなる位に酷いと思うんだが?


ビクター「せめてあと5分だけ待ってくれよ、このレースの舟券だけ買わせてくれ!!」

トゥーチ「ここ暫くの間ろくに当たった試しが無いんだから金が減らなかっただけましだと思えや、それに護符を渡した責任をちゃんと取れよな!!」

ビクター「分かった・・・、分かったから・・・!!」

トゥーチ「何処が「分かった」ってんだよ・・・!!」


 そう言いながらビクターの左耳の方に手を延ばすトゥーチ。


トゥーチ「これでもまだ「分かった」って言うのか?!このギャンブル依存症が!!」


挿絵(By みてみん)


 父親は左耳に赤鉛筆を引っ掛けていた、これでは説得力の欠片も無い。


ビクター「こ・・・、これは他の用途があるかも知れないから持ってんだよ!!」

トゥーチ「「他の用途」って何があるってんだよ、言ってみやがれこの野郎!!」


 目の前で繰り広げられる神同士の親子漫才(?)、こういった場面はやはりこの世界ならではと言った所か(一先ず見物してみるかな)。


ビクター「えっと・・・、いつもの食堂でカレー頼む時とか?」

トゥーチ「馬鹿野郎、ちょっと前からあの食堂は食券制に変わったんだろうがよ!!」


 以前登場した時もそう思ったがやはり天界にある食堂も下界の物と変わらない様だ、何となく親近感が湧くな。


ビクター「だとしてもちゃんと「ビクター」って名前を書かなきゃ・・・。」

トゥーチ「いけなくねぇわ、逆に書いたら迷惑だろうがよ!!」


 確かに食券に客側が何かしらを記入するようなことはまずあり得ない(と個人的に思う)、流石に神と言っても言い訳が苦し紛れ過ぎないか?


ビクター「いやそれだったら・・・、席番号を書かなきゃいけないだろうが。」

トゥーチ「何でだよ、セルフサービスで自分で取りに行く方式になっていからそんなの関係ねぇだろ!!それに「いやそれだったら」って・・・、絶対今作っただろうが!!」


 逆に見てみたいな、神様がセルフサービスの食堂で飯食ってる所。


トゥーチ「そうじゃねぇだろ、この後また競艇場に戻る気だろうが!!」

ビクター「別に良いだろ、俺は今日の為に連続有給を取得したんだぞ!!」

トゥーチ「何言ってんだ、親父の会社から「ビクター部長は休みまくっているからもう有給休暇が残っていない」ってさっき電話があったんだよ!!」


 眼前で繰り広げられる親子漫才(?)を止めるタイミングを完全に失ってしまっている恋人達、まぁ気持ちは分からなくもない(というかビクターって部長職なんだな)。


好美「そんなに休んでんだ・・・、結構なホワイト企業で働いているみたいだね。」

守「というか「もう有給休暇が残っていない」なんて現実で初めて聞いたぞ・・・。」


 いやいや・・・、あんたらツッコむ所そこですか・・・。


トゥーチ「あのさ・・・、親父が競艇場に戻りたがっているのは分かったから早く守と好美が護符でてめぇを呼び出した理由を聞いてやれよ!!」

ビクター「分かったよ・・・、でもその前に携帯でこのレースだけ買わせてくれ。絶対荒れるからよ!!取るからよ!!」

トゥーチ「もう・・・、呆れて物が言えねぇ・・・!!分かったから早く買いやがれ!!」


買わすんかい!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ