表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

571/669

574

神様も色々と苦戦しているそうだ


-574 神の優先順位-


 「一柱の神」と言っても古龍エンシェント・ドラゴン三女トゥーチ自身は人間で言うとまだ大学生、就職活動で未だに苦戦している状態である。本人曰くこの日も3社程試験を受けて来たそうなのだが「今はそんなの関係ねぇ!!」と言いたそうになっている者が約1名、そう、先程から泣きじゃくっていた(一応)この話の主人公である。


好美「ちょっと・・・!!「(一応)」って何よ、創造主アンタが蔑ろにしていただけでちゃんとした主人公だもん!!」


 すみません、失礼しました・・・。それで?守の護符を使ってまで神様を呼び出したのにはちゃんとした理由があるんでしょ?


好美「そうよ、すっかり忘れてた!!トゥーチ神様、ちょっと来てもらえます?!」


 いや待てよ、どうしてここに来たのがビクターではなくトゥーチなのか知らなくて良いのかよ!!それにそれが神様に対する態度か?!


トゥーチ「そうだよ好美、ちょっと待ってくれよ!!俺だって今の状況を把握しきれてねぇんだからよ!!」


 確かにトゥーチの言っている事は間違ってはいない、しかし何処か矛盾が発生している様な気がして仕方が無い。


守「ちょっと待って下さい、今仰っていた通り「今の状況を把握しきれていない」というならどうしてトゥーチ神様は俺が護符を使った事が分かったんですか?!」


 よく考えてみればこの護符は守がビクターから直接受け取った物、言わばこの事は2人しか知らないはずだ。しかし守の疑問はトゥーチの行動により即座に解決となった。


トゥーチ「これを見てくれるか?」


挿絵(By みてみん)


 古龍はそう言うと2人にスマホの画面を見せた(そう言えばビクターもスマホを持っていたな)、そこには「宝田 守が護符を使用しました」という通知が残っていたのだ。


トゥーチ「「一柱の神(俺達)」専用のアプリで「いつ」「誰が」護符を使ったのかが分かる様になってんだよ。」


 トゥーチは十分な説明をしたつもりだった、しかし納得していない者が約1名。


好美「じゃあどうしてビクター神様ではなくトゥーチ神様がこちらにいらしたんですか?今までの流れ通りだったら本人が来ないとおかしいじゃないですか。」

トゥーチ「確かに好みの言っている事は分かるよ、だってネフェテルサ王国のペプリ王女が魔法や護符を使っている時はいつもクォーツ姉ちゃんが行っているもんな。」

好美「だったら何でですか?!この護符を渡したのはビクター神様でしょう?!」

トゥーチ「まぁ・・・、そうなんだがな・・・。」


 好美が投げかけた質問により頭を抱えるしか出来なかったトゥーチ。


トゥーチ「多分くそ親父の都合が悪くなったから代わりに俺が飛ばされたんだよ。全く・・・、いつもこうなんだから困ったもんだ。」

守「「都合が悪くなった」って、じゃあ本人は今どちらに?」


 奴め、何となく想像がつくが一応聞いておこうか。もう・・・、呆れて物が言えねぇや。


トゥーチ「多分・・・、天界のボートレース場だろうよ。」


 やっぱりか・・・、そう言えばこの前ケデールも「ダンラルタのG1」って言っていた様な言ってなかった様な・・・。


好美「下界の民より趣味を優先させるだなんて・・・、なんて神様なのよ・・・。」

トゥーチ「面目ねぇ・・・、俺も恥ずかしくて仕方ねぇぜ。」

守「という事は・・・、トゥーチ神様は完全な「とばっちり」でここに?」

トゥーチ「だからさっきからそう言ってんだろうよ、俺は就活の帰りに呼び出されただけなんだよ。」


 という事で好美さん、トゥーチは帰っても良いですよね?


好美「うん・・・、何かすみません・・・。」

トゥーチ「いや良いよ、一先ず迷惑を掛けているのはこっちだしこの後時間があるから俺も天界で親父の居そうな所を探してみるから好美と守の番号を聞いといても良いか?」


優しい神様だな・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ