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572

未だに必死になっている好美


-572 神より賜りし物-


 好美はまだ守の懐を漁っていた、第三者の目線で一般論を言うと「多分「護符」を持っていないだろうから諦めた方が良いんじゃね?」と言いたくなる空気なのだが・・・。


好美「守・・・、何処に隠してんの・・・?!早く・・・、出してよ・・・!!」

守「待てったら・・・、出すのは良いが何をするつもりだよ!!」

好美「呼び出すに決まってんじゃない、ビクター神様を!!」


 必死に漁る彼女に対して未だに出そうとしない彼氏、サッと出してしまえば解決できるはずなんだが何か事情でもあるんだろうか。


守「出しても良いけど・・・、お前に使える訳がねぇだろ!!」

好美「何でよ!!何で私には使えないのよ!!」

守「護符あれは「俺専用だ」って言われてんだよ!!」


 好美が必死に取り出そうとしていたこの「護符」をビクターが守に手渡した際、乱用防止の為「守専用」という「縛り」がある「状態」にしているらしい。あれ・・・?「状態」・・・?


好美「だったら守が使えば良いじゃん、それとも私のお願いが聞けない訳?!」


 流石の守でも好美に逆らえる訳が無かったので渋々だが護符を取り出す事に、ただやはり懐で持っておかずに『アイテムボックス』に入れていた様で・・・。


好美「もう・・・何で最初から『アイテムボックス』に入ってる事を言わないの?!というかさっきまでの時間は何だったの!!」

守「好美があんなに必死になっていたから言い出せなかったんだよ、それに懐に入れていてもしも落としでもしたら大変な事になるかも知れないだろ!!」


 確かに守の言っている事は正論だった。実はと言うとこの護符、かなりの希少性がある様で持っているとすると「一柱の神」達から認められた上級古龍使い(エンシェント・ドラゴンマスター)位だとの事。あれ・・・?そう言えばそんな奴前にもいたな・・・。


好美「じゃあ・・・、守に言わなくてもペプリに頼めば良いって事だよね。」

守「何で王族の方を巻き込もうとするんだよ、・・・ってか「王女」を付けろよ!!」


 何でそんな事を覚えてんだよ、というより守はペプリに会った事ねぇだろ。


好美「夜勤で見回りをしていた時、お供え(カレー)の香りに誘われて起きて来たペプリに護符やギルドカードを見せてもらった事があった訳。それと「クォーツ姉ちゃん以外にも気兼ねなく話せる友達が欲しかったから自分の事は呼び捨てで構わない」って言ってくれてんのよ。言ってしまえばもうペプリは同じ釜の飯を食った仲間、友達も同然なのよ。」


 成程ね・・・、俺の知らない所でそんな逸話があったとはな・・・。


守「いや創造主あんたも納得してんじゃねぇよ、分かったからちょっと離れてくれ!!」

好美「何で・・・、何で離れる必要があるの?!」

守「「使う時は必ず外で」って言われてんだよ、このままだと動けないだろ?」


 そう言えばお前らまだくっついてたもんね、うん、守の言う通りだ。


好美「「動けない」ならここで使えば良いじゃん。」

守「ほえ・・・?」


 守の護符を手に取った好美は以前恋人が「暴徒の鱗 ビル下店(自分の店)」の前で行った動作を真似てみた、しかし守が行った時の様に何の反応も無い。


好美「な・・・、何で・・・?」

守「だから・・・、「守(俺)専用」なんだって。」

好美「そうか・・・、だったら・・・。」


 すると好美は『状態異常無効』を利用して「守専用」という「状態」を無効化した様だ、やはり転生者達の能力は便利な物だ(というか「異常」って事になってたんだな)。


好美「これで良し・・・、っと。」


 改めて護符を高らかに掲げる好美、すると守達の身に覚えのある地震が・・・。


「ずっしーーーーーーーーーーーーーーん!!」

光「な、何!!何が起こった訳?!」

守「やっぱりこうなったか・・・。」


挿絵(By みてみん)

頭を抱える守、この世界ではよくある光景だが・・・

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