547
あらら、またこの展開か・・・
-547 疑問になっていた事-
普通は「何でお父さんまでギャンブル好きになっちゃっているのよ!!」と怒られる場面だと思われるがまさかの理由でマジギレしている恋人の姿にどうする事も出来ない元竜将軍、ただ1つだけどうしても気になる事が・・・。
イャンダ「な、なぁ・・・、1つ聞いて良いか?」
ピューア「何よ、まさかあんたも買ってた訳?!」
今の今までただのSM好きであるイャンダにギャンブルのイメージは無かったのだが、話の流れでそう聞きたくなってしまったピューア。それにしても何を聞こうとしていたんだろうか。
イャンダ「い、いや・・・、口座に金を入れて無かったから買えてねぇよ。荒れそうなレースだとは思っていたけど。」
お前も買うつもりだったんかい・・・、やはりこの世界の住民は種族関係無く遊び人だらけだな(というかイャンも携帯で買う派だったんかい)。
ピューア「何で買わないのよ、当たってたらデートの費用に出来てたのに。」
「2人で出掛けて何をするつもりだ」と言わんばかりに顔をしかめる父親。
イャンダ「待てよ、もし買ってたとしても予想が当たって無かったから無意味だよ。金が減らなかっただけでもマシと思ってくれ。」
ピューア「まぁ良いわ、ところで何を聞こうとしていた訳?」
そうだよ、今気になるのはそこだろうがよ。
イャンダ「いやな、聞いて良いのか分からないんだけどどうしてリッチのゲオルさんとマーマンのメラルークさんが兄弟なんだ?」
ピューア「ああ・・・、やっぱり気になった?よく聞かれるのよね。」
ピューアにとったらどうやら耳に胼胝ができる位に聞き慣れた(というか聞き飽きた)質問の様だ、ただ正直俺も気になっていないと言えば嘘になる。
ピューア「まぁ簡単に言えば「異母兄弟」ってやつよ。私にとったらお爺ちゃんである父親が同じだったんだけどゲオル叔父さんは人間と、そしてお父さんはマー・・・。」
メラルーク「ニクシーな?どうしてお前は未だに覚えていないんだ。」
ピューア「いや・・・、私もよく遭遇する件だから偶にはボケに回りたいと思ってね。」
気持ちは分からなくもない、結構しつこめに振られている様なので偶には振る側になりたいと思っていた様だ。
イャンダ「そうなんだ・・・。ピューの爺ちゃんって結構モテていたんだな、羨ましいというか何と言うか・・・。」
どうしても「羨ましい」と思ってしまうのはきっとイャンダだけではない、だって俺もそうだから。
ピューア「それがそうでも無いのよ、私達魚人(及び人魚)族には「同族の者以外で結婚してはならない」っていう習わしがあってね・・・。」
腕を組みながら説明するピューアの言葉を遮る様に口を挟むメラルーク。
メラルーク「ああ・・・、それな・・・。」
ピューア「何よ・・・、どうしたって言うの?」
これは・・・、嫌な予感がして来たぞ?
メラルーク「実はメラにも少し前に話したんだが・・・、昔俺達の種族は海の底で暮らしていたので海の外の人々との付き合いがなかったからという理由で生まれてしまったただの噂話というかジョークなんだよ。まぁ・・・、昔から父親が娘を嫁がせたくない時の言い訳として魚人族でよく使われているからそのまま有名になっちゃったって訳。」
父親の言葉に背筋が凍りそうになっていた娘、どうやらずっと本気で信じていたらしい。
ピューア「じゃあ私、イャンと・・・。」
メラルーク「それよりイャンダ君!!早くお宅(ボーリング場)に向かおうじゃ無いか!!」
イャンダ「は・・・、はぁ・・・。」
ピューア「ちょっと・・・、私の言ったことはスルーなの?!」
いや・・・、店は?!