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545

父親としてどうしても判断材料は多くしたいらしい・・・


-545 内部事情は話し過ぎるな-


 この帰郷(いや研修)を終わらせた後に娘が住み込みで働く事になっている店の店長の出現により未だに若干の気まずさを覚えてしまっている店主マーマン、一先ず新店でどういった生活を送る予定でいるのかが気にならないと言えば嘘になる(ただ自分の娘とは言っても女性の事なので付け入り過ぎてはいけない様な気もしているらしい)。


メラルーク「えっと・・・、店舗についてなのですがわざわざ店を開店する為に一から旅館の1部分を改装したんですか?」

イャンダ「い、いえ・・・。元々別のレストランが入っていたんですが新たに店を開くとの事で撤退していったんです、そんな折に偶然「暴徒の鱗」の噂を耳にした様でして。」


 あまり自分会社の裏事情を話し過ぎるといけないと思った元竜将軍ドラグーンは若干言葉を選びながら質問に答える様にしていた、ただ何より重要なのは「真摯に答える事」では無かろうか。


メラルーク「ほう・・・、ですがレストランと拉麵屋では訳が違うでしょう。それにモーニングメニューも始めるとお聞きしたんで店の回転率や開店時間も大幅に変わって来るんじゃないですか?」


 「思った以上に詳しく聞いているんだな」と少したじろいでしまったイャンダ、まぁモーニングメニューを始めるから副店長ニクシーが今ここにいるのだが。


イャンダ「そうですね・・・、実はそれ用に店舗用の出入口を増やしたと聞いているんです。流石に旅館の中に行列ができると宿泊客の方々にご迷惑をお掛けしてしまう可能性が浮上しますから、ただテーブルや椅子は以前あった店の店主が残していた物をそのまま使わせて貰える事になった上に調理道具に関しては若干ではありますが「暴徒の鱗」側の経費も使用して揃えてあるので費用は大分抑える事が出来ているのでは無いでしょうか。」

メラルーク「あの・・・、申し訳ありませんが「若干」と仰いますと・・・?」


挿絵(By みてみん)


 「まさかそこに食らいついて来るとは」と驚きを隠せない新店の店長、しかし敢えて「若干」という言葉を用いたのにはちゃんとした理由があったらしい。


イャンダ「実はと申しますと・・・、少し事情がありまして新店のオーナーになる予定の者が先走って用意していたみたいなんです。」


 先日までの兄弟喧嘩(?)の事があったからか、言い過ぎない様にここでも言葉を選ぶイャンダ(少し語弊があるっぽい所から結構苦労しているのが分かる)。


メラルーク「「新店のオーナー」さんと仰いますと旅館の関係者の方ですか?」

イャンダ「そうですね、現地で番頭をやっている者がオーナーになる予定です(というかもうなっています)。」


 少し表現を変えるだけで聞きたい事を聞きだしやすく工夫できる、それは魚人族や人間を含め全ての種族において言える事だといえよう。


メラルーク「確か・・・、その旅館ってイャンダさんのご実家だとお伺い致しましたが。」


 メラルークが本来聞きたかったのは「ピューア本人がこれからどういった私生活を送る予定なのか」、そして「安心して娘を預けて良い場所なのだろうか」という事。ただストレートに聞きづらい事でもあるのでじわじわと話題を近づけていく事に。


イャンダ「そうですね・・・、なので先程申し上げた番頭である私の兄が店舗のオーナーを兼任する予定なんです。」


 話の流れでつい口を滑らせてしまった店長、しかし「相手は副店長(予定)の父親なので問題無い(というより必要事項である)」という事にした。


メラルーク「ほう・・・、凄いですね・・・。でしたらかなりの予算が必要だったはずですから旅館の方はかなり儲かっているのでは無いですか?」

イャンダ「自分はあまり詳しくは無いですが(という事にしておく)、きっと仰る通りだと思います(この人鋭いな)。」


 こちらに心の声が駄々洩れとなってしまっているニクシーの恋人、ただこの勢いで「ボーリング場を併設している」と伝えるとどういう反応をするのだろうかが想像できないでいる様だ(多分無反応だと思うよ)。


イャンダ「まぁ・・・、併設しているボーリング場の売上もありますので・・・。」

メラルーク「ボーリング場ですって?!ボーリング場があるんですか?!」

ピューア「あちゃ~・・・、やっぱり食らいついちゃったよ。言わない様にしてたのに。」

イャンダ「えっと・・・、どうかしたの?俺まずい事言っちゃった?」


うそぉん・・・

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