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538

しっかり学ぶにもそれなりの理由が・・・


-538 言っちゃったよ・・・-


 ニクシーは「暴徒の鱗」新店の副店長としてしっかりと責任を果たそうと父親マーマンから学んだ事を逃さぬ様に細かくメモしていたのだが、実はというと心中では「まだ全てを書き切れていないのではないだろうか」と不安になっていた。ただその1つひとつが大切な事ばかりなので決して逃すまいと、そしてしっかりとマニュアル化出来るようにと本人なりにノートに纏めていたのを父親は密かに見ていた、「ピューアはきっと今の仕事に情熱を持っているから今は邪魔をせずに見守っておこう」という親心が芽生えていたのだろう(俺は相変わらず独身なので分からんが)。

 しかしずっとこの場に置いておくわけにもいかない、この研修期間が終わればまた娘はここを出て行ってしまう。そんな事を考えていた折、メラルークには1つ気になる事があった。理由はここが「ダンラルタ王国」で本人が「父親」だからだ。


メラルーク「ピュー、シューゴさんから聞いたんだけど新店は旅館の中にあるから比較的小さな店舗になるんだって?」


 今まで働いていた「ビル下店」に比べればかなり小規模な店舗になる上に営業時間も「竜騎士の館」に合わせる為に24時間ではない(予定)、それがどうしたというのだろうか。


ピューア「そうだけど・・・、何かあった?」

メラルーク「親としては全く知らない訳にいかないと思ってな、何処から通う事になっているんだ?バルファイ王国に部屋でも借りたのか?」


 聞きたくなる気持ちも分からなくもない(と言えば嘘になるかも知れない)、やはり手塩にかけて育てた娘の事が心配なのだ。


ピューア「いや、旅館の居住部分に住む事になってんのよ。」

メラルーク「そんな・・・、急に人んちに上がり込んで住み込むなんて大丈夫なのか?」


 改めて言っておくがメラルークは「竜騎士の館」がピューアの彼氏で店長であるイャンダの実家だという事というより娘に彼氏がいる事すら知らない(はず)、これは店舗関係を含めて色々とまずい展開になってきた様な・・・。


ピューア「大丈夫よ、そこイャンの実家だから。というか今の「(はず)」って創造主、あんた忘れてたね?」


 すんません・・・。というかおいおい、今それを言うのはまずいんじゃないか?!


メラルーク「イ、イャン・・・?聞いた事無いな・・・、お友達の家なのか?だったら安心だな、今度菓子折りでも持って挨拶にでも行かないといけないな。」


 意外とあっさりだな、ただこのまま上手く進むとは思えないのは気のせいだろうか。


ピューア「何言ってんのよ、それだったらイャンの方からここに挨拶に来るべきじゃない。」


 確かにニクシーの言っている事は正論だ、よくある「娘さんと・・・」的なあの件をしないといけないからな。


メラルーク「いやいや何を言う、ご友人のお家でご迷惑をお掛けする事になっているんだからな。ご足労までお掛けする訳にもいかんだろう、店を閉めて俺の方から行くよ。」

ピューア「良いって言ってんじゃない、それにいつになるかは分からないけどイャンの方から挨拶に来るようになると思うから。」


 何となく別の理由があると察したメラルーク、一応は聞いておく事に(ん?「ご友人」?)。


メラルーク「あのさ・・・、それどういう事だ?」

ピューア「えっと・・・。」


 咄嗟に顔を赤らめるピューア、これはまずい展開に十分なり得る。


メラルーク「急に顔を赤くしてどうした、ちゃんと答えてくれよ。」

ピューア「イャンは・・・、わ・・・、わ・・・、私の結婚相手だからよ!!」

メラルーク「ほへ・・・?」


 ぽつ~ん・・・、ポクポクポク・・・、チーン・・・。


挿絵(By みてみん)


メラルーク「ピューアさん?聞き間違いだと良いんですが今「結婚相手」と仰いましたか?」

ピューア「言ったわよ、それが何?」

メラルーク「お前、女同士で結婚するのか?!お前はレズだったのか?!」

ピューア「何言ってんのよ、イャンは私の彼氏!!男よ!!」

メラルーク「男?!嘘だろ?!俺の娘に彼氏だって?!」


あらら・・・

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