528
渚には『メイクスライム』が必要なのか?
-528 またなの?-
改めて社長から『メイクスライム』の使用方法を伝授された赤鬼は『付与』を受けた直後から猛練習をしていた、屋台の営業時の皿洗いに苦戦しているのだろうか。
渚「これでいつ食洗機が壊れても大丈夫だね、いい能力を貰ったよ。」
結愛「あの・・・、お・・・、私がこんな事を聞いても良いか分からないんですがあの車の何処に食洗機があるんですか?」
何処からどう見ても日本国内のそこら中を走り回っている軽バンにしか見えない渚の屋台の何処に食洗機があるというのだろうか、正直俺も気になって仕方が無い。光がカセットコンロを見つけ出した時に驚愕した位だ、これは仕方のない事なのかも知れない。
渚「何処って・・・、あれ・・・?何処にあったっけ?」
好美「何で渚さんが思い出せないんですか、普段から使っているでしょうが。」
渚「いやね・・・、体で覚える性格だからいざ思い出そうとしても無理な時があるんだよ。何て言うか・・・、「感覚」ってやつ?」
「何処に何があるのか、ちゃんと探したのか」と問われると頭が混乱してしまう時がある、特にリモコンが消失してしまった時とか・・・(俺だけ?)。
結愛「じゃあ・・・、その「感覚」で言ったらどの辺りなんですか?」
それ聞くの?答えられたとしても理解に苦しむだけだと思うんだけど。
渚「えっとね・・・、営業している時の位置からするとまな板がこの辺りにあってその下だから此処だねぇ。」
丁度自分の右足の辺りを指差した渚、どうやら元の世界から持ち込んだ軽バンにはかなりの改造が施されているらしい。
好美「成程ね・・・、分かんないです。」
でしょうね、誰が聞いたって分かる訳ないでしょうね。
結愛「ただ赤姉さん、食洗機が壊れるなんて相当な量の食器を入れているんじゃ無いですか?流石に許容範囲って物があると思うんですが。」
大抵の食洗機には食器を並べる為の金属で出来た枠があるはずなのでそれに従えば大丈夫だと思われるのだが・・・。
渚「やっぱりランチ時とか特になんだけど何よりも回転率を意識しちゃうからつい勢いに任せてぶち込んじゃうんだよね、しかもずっと回しっぱなしの事が多いし。」
好美「きっとそれですよ、やっぱり機械って負荷をかけすぎると壊れやすくなりますもん。」
食洗機に限らず機械(家電含む)は大切に扱わないとすぐに駄目になってしまう、ただ今話しているのは2号車の店主の場合だから本当にそれだけかをどうしても疑ってしまう。
渚「何だい、他にどういう理由があるって言うんだい?」
いや・・・、貴女の場合「あれ」があるでしょ?「あれ」ですよ。
好美「ああ・・・、創造主の言う事を納得したくは無いけどその通りかも。」
おい、それどういう意味だコラ!!
渚「まぁまぁ良いじゃ無いか、それにあんたが差し金なのは間違いないだろう?」
確かにそうですけど・・・、じゃあ普段ダンラルタ王国を走っている時のドラレコ映像を出しちゃっても良いんですか?
渚「え・・・?ちょっと待ってよ・・・、私は至って安全運転だけど?」
好美や結愛から目線を外してそっぽを向く渚、如何にも怪しい。
好美「安全運転だから今は修理に出してないですもんね?さっきも使ってましたもんね?」
何となく空気を読んでカマをかける好美、これは嫌な予感がして来たぞ?
渚「すみません・・・、あれは『複製』で作った代車で今修理中です・・・。」
頼むよ・・・




