525
何を吹き込んだんだよ・・・
-525 国王と社長、そして国家機密-
軍隊長の返答を聞いた転生者達はいの一番に王城へと『瞬間移動』した、到着した2人は先程以上に怒りを露わにしていた(怖い怖い・・・)。
渚「デカルト!!すぐに出て来な!!ここにいるのは分かってんだよ!!」
好美「本当ですよ、何で先に言ってくれなかったんですか!!」
周囲からは「当然・・・」と言われても可笑しくは無かったのだが2人は城門を管理する王城軍の兵士に止められてしまった、いくら要人と言えど流石に国王に対して憤怒している者を止めない訳にはいかない(その上「デカルト」と呼び捨てにしているので余計である)。
軍人「渚さん、一体何があったんですか!!落ち着いて下さい!!」
渚「これが落ち着いてなんかいれる訳ないだろう、早くデカルトを出すんだ!!」
軍人「国王様はお忙しいんです、少々お待ちください!!」
軍人の対応はおかしくない、寧ろたった今態度を改めるべきなのは赤鬼の方である。
好美「騙されたのはこっちなのにどうして私達の心中を察してくれないんですか、すぐにデカルトさんに会わせて下さい!!」
軍人「直ちにお呼び致しますからお待ちください!!ほら、こちらのお水を飲んで!!」
国王に「如何なる場合においても丁重におもてなしをする様に」と言伝を預かっているので何とか転生者達を落ち着かせようとする軍人、まぁこれも当然と言っちゃあ当然だ。
そんな中で慌てた軍人達からの連絡を受けたデカルトが急いでその場にやって来た、場内だと言うのに飛んじゃっている位だから相当焦っている様子だ。
デカルト「お待ちください、何があったと言うんですか!!」
軍人「国王様、大変申し訳御座いません!!」
デカルト「決して君たちは悪くありませんよ、ただお2人の話を聞こうじゃありませんか。」
一国の主として飽くまで冷静に判断するデカルト、今すべきなのは状況を把握する事だと誰よりも誰よりも分かっている様だ。
渚「あんた、ダンラルタ王国内で伐採と加工を施された木材を王城で管理しているってどうして言わなかったんだい!!」
好美「最初からこういう事が分かっていたなら場外の調査に行く必要なんてなかったじゃないですか!!」
デカルト「そういう事でしたか・・・、説明して無くて申し訳ないです・・・。」
きっとシフト表の見直しを行っていたので説明を怠ってしまっていたのだと思われる、明らかに王城側のミスであるが転生者達はもう少し落ち着くべきではないだろうか。
渚「私達も言い過ぎて申し訳ないね、一先ずどういう事か聞かせて貰っても良いかい?」
好美「そうですね、闇雲に怒っても先に進まないだけですから。」
あらま、冷静になるのが案外早いこと。こっちとしては助かる助かる・・・。
デカルト「どこからご説明すれば宜しいでしょうか・・・。実は価格競争や独占販売、そして無断での伐採を防止するために王国内の大木は鳥獣人族の軍人達が定期的なパトロールをする事で管理をしていたんです。」
好美「「無断での伐採を防止する」と言うなら何処の業者が伐採を行っているんですか?」
デカルト「仕方ないですね・・・これは一応国家機密にしているのですがお2人ならいいでしょう。実は先程、民家の日当たりを遮っていた大木が伐採されて王城へと入って来たばかりなんです。こちらへどうぞ。」
デカルトにより2人は王城の中庭の隅へと案内された、そこでは聞き覚えのある女性の声が響き渡っていた。
女性「はーい、加工を行いますのでこちらに搬入をお願いします!!」
好美「結愛じゃん、何でここにいるの!!」
結愛「それはこっちの台詞だ、この施設は国家機密だぞ!!」
デカルト「どうやら国民の方に言われたうちの軍隊長が渋々話してしまったみたいなんです、まぁ元々お2人には話すつもりでしたので一応お咎めなしにしますが・・・。」
ただ今はムカリトの今後よりどうして社長が関わっているのかが気になる。
好美「結愛、さっき「加工を行う」って言ってたけどどういう事?」
そんな簡単に話しちゃって言いのけ?!




