524
今度は大丈夫なんだろうな?
-524 建材について-
「少しでも転生者達の役に立ちたい」という想いがあった軍隊長は再び偶然近くにあった民家へと走って行った(いやもしかしたら「飛んで行った」と言った方が良いのかも知れない)、ただそれを見ていた2人の心中は共通したものだった様だ。
渚「今度こそ・・・。」
好美「まともな人を選んで欲しいですね・・・。」
おい待てよ、それだとダンラルタ王国の住民がまともではない様になるじゃねぇか(そんな事は無いはずなんだが)。
好美「だってー。」
渚「流石にさっきのは「まともな人」の答えでは無いだろう。」
転生者達はこう言っているがこれに関してはムカリトの方にも原因があると思われる、下手すれば軍隊長に全てを任せた2人に責任があるのかも知れない(ムカリトがまともじゃないと言っている訳では無いのだが)。
好美「あんたそれ・・・。」
渚「どういう意味なんだい!!」
まぁ「住民の方々を気遣って」というのは良かったけど流石に全部を放任するのは良くないと思うな、「本来伝えたい事(聞きたい事・ここでは建材について)」が上手く伝わらない可能性だって十分にあるだろうが。
渚「あ・・・、えっと・・・。」
好美「その・・・。」
何だよ、俺が間違った事を言っているとでも言いたいのか?
ムカリト「おいコラ、俺の事が信用出来ないとでも言いたいんか?!あ?!」
(俺の事って皆に見えて無いはずなんだが)怖いよ・・・、それに先程の事を考慮に入れた場合どう信用しろと言うんだよ。
ムカリト「あれは・・・、よく言う偶然って奴だよ。致し方なかったんだ、王様から言われてたんだけど2人は要人なんだぞ?待たせる訳にも行かんだろうが。」
何てこったい・・・、いくら腰が低いからって国王にそこまで気を遣わせるとは・・・。「2人は要人だから」って言うけど他に何か理由があってもおかしくはないよ・・・、多分。
渚「何だい、どんな理由があるって言いたいのさ。」
好美「そうだよ、ちゃんと聞かなきゃ納得できない!!」
色々あるだろうがよ、そんなに気になるなら俺じゃ無くて本人に直接聞けよ。それに戻って来たムカリトに住民の返答はどうだったか聞く事が先決なんじゃねぇのか?
渚「うーん・・・、確かにそうだねぇ・・・。」
好美「むっちゃ悔しいけど正論だわ。」
渚「仕方ない・・・、それであちらの方はどう言っていたんだい?」
すると懐から小さなメモ用紙を取り出したバルタン、今度はまともな返答が聞けたことを期待したい(超個人的に)。
ムカリト「あの人が言うには・・・、「基本的にこの辺りの家に使っている木材は王族の権限で伐採されたもの」なんだってさ。」
渚「「王族の権限」?どういう事なんだい?」
ムカリト「ほら・・・、この国の建築物は山の景観を損なう様に造ってはいけない事になっているだろ?ただ同時にやはり住民の日照権も守らないといけねぇ、だから日陰を作る原因になる木だけを倒して使っているみたいなんだ。」
好美「それで・・・、その王族の権限で切り倒された木材って何処にある訳?店舗の事を考えたらちゃんと聞いておかなきゃ。」
ムカリト「・・・。」
ムカリトは数秒黙りこくった後に住民からの返答を転生者達に打ち明けた、それを聞いた2人は何故か怒りを露わにしていた。
渚「だったらどうして私達はここにいるのさ!!」
好美「全くもって意味無いじゃん!!」
2人「あいつめ~・・・!!」
おいおい・・・!!




