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話が進まないよ・・・
-523 十人と住人-
「国王個人の好み」という理由で世界一「クソどうでも良い裁判」がやっと終わりを告げたので3人は建築物の調査を再開した(早くしろよ)、因みにデカルトは満足げな顔をして王城に戻ったとの事。
ムカリト「まさか国王様が直々に判決を下しに来るとはな・・・、それにしても焼売に辣油ってありなのか?」
こちらからすれば「お前はまだ続けるつもりなのか?」と敢えて質問に質問で返したくなっていたが元々被告人(という設定)だったので今は黙しておくのが1番だろうと口をつむぐしか出来無かった、と言うかどんな食い方したって犯罪にはならないだろうがよ。
好美「「マナー違反」って言葉が世の中にあるじゃない、すぐに辛子をつけるのはほぼ犯罪みたいなもんだよ。」
渚「あんたも拘るね、そんなに辛子が気に食わないのかい?」
好美「「辛子が気に食わない」というか最初から何かを付けて食べる事が気に食わないんです、やっぱり飲食店をやっている方々は料理自体の味に自信を持って出している訳だから先ずはその味を楽しむべきだと思うんです。」
確かに好美の台詞も一理ある、本人の発言を饂飩で例えるとすれば素材から拘って作っている「出汁」と「麺」を大切にすべきだという事なのかも知れない。
好美「渚さんも飲食店(屋台)を経営しているから分かるでしょ?「折角苦労して提供している味を壊されたくない」って思わないんですか?」
基本的に渚は店舗でスープや麺を受け取ってから3国を回っている上に「スープ」や「かえし」等の製法を知らない、「特製・辛辛焼きそば」を対象外にするならばの話だが。
渚「確かにそうだけど・・・、ただどうしても疑問に思う事があるんだ。」
好美「「疑問」ですか・・・?」
俺個人的には「いつになったら調査を始めるんですか?」と聞きたいが転生者達が未だに納得出来る様な答えを見つける事が出来ていないみたいなので様子見するしか無い、やはり今回もなかなか話が進みそうにないみたいだ。
渚「うん・・・、店の料理の味をそのまま楽しんで欲しいと言うのならどうして町中華のテーブルには調味料が置かれているんだい?」
確かにそうだ、もしも「調味料を使って自分好みのアレンジをしてはいけない」というのなら「じゃあ何で置いてんだよ」と聞きたくもなる。渚から投げかけられたまさかの疑問に好美は目を逸らすしか無かった、しかし自分が蒔いた種なので引き下がるわけにはいかない様で・・・。
好美「そ・・・、それは・・・。えっと・・・。」
数十秒程考え込む好美、これだとハードルがどんどん上がっていくばかりである。
好美「あ・・・、あれですよ!!「2口目以降はご自由にどうぞ」って事ですよ!!」
逃げたー!!「絶対やるだろうな」と思っていたがコイツ逃げやがったー!!
好美「だって・・・、味を作った店の人も1人の人間なんだから当たり前でしょ。「舌や好みに合わなかったらご自分で合わせて下さい」って言いたくもなるよ。」
それもそうなんだよな・・・、じゃあ結局この話題って「十人十色」って事で良いか?
好美「うん、というか最初からそう言ってんじゃん。」
嘘だろ、コイツまた逃げやがったよ!!でももう良いか・・・、でないと話が進まないもんな。俺も「3人が今やるべき事は何だったか」を忘れかけているし。
渚「「外壁の調査」だろ、しっかりしとくれよ。」
まさかボケに回る事が多い渚に言われるとは、時代って巡るもんなんだな。
そんなこんなで調査を再開した3人、すると好美と渚はとある事に気付いた様だ。
好美「山の中にあるにしてはこの辺りの民家って結構日当たりが良いですよね、山の大木もちゃんと残っている様な。」
渚「ただこの辺りの家は皆木造だね、どうやって建材を手にしているんだろ。」
ムカリト「そうだな・・・、ちょっとあの家で聞いて来るわ。」
今度は頼むで・・・