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52/665

52

未だに自分が夢を見ていると勘違いしている美麗。


-52 大切な友達だから-


 好美は現実だという事を証明する為に美麗の頬を軽く抓った。


美麗「痛い痛い痛い・・・、分かった!!現実なんだね!!」


 それから数分後、美麗のギルドカードが出来上がったので好美達は珠洲田の店へと戻った。すると、美麗の事を聞きつけた結愛が待ち伏せていた。


結愛「おう、久しぶりじゃねぇか。「中型」持ってんだって?助かるよ!!」

美麗「う・・・、うん・・・、これからよろしく・・・。ゆ・・・、いや、社長!!」

結愛「結愛で良いよ、堅苦しいの苦手なんだ。今まで通りにしてくれよ。」


 結愛と珠洲田のお陰で仕事を見つけた美麗、後は家探しだ(多分、大丈夫だと思うけど)。

 それから数分後の事、いつの間にかチャイナ服に戻っていた美麗が質問した。


挿絵(By みてみん)


美麗「そう言えば好美は何処に住んでんの?まさかだけど、さっきのが家じゃないよね?」


 元の世界の同じマンションで一人暮らしをしていた友人が先程までいた広い部屋に住む起業家になっているとは思いもしなかった美麗。


好美「何言ってんの、人の家のプールに落ちて来たくせに。」

美麗「え?!あそこってパーティールームじゃなかったの?」


 会食用に場所を借りていたと思っていた美麗は、好美の言葉に驚きを隠せずにいた。


好美「と言うかあのビル全部私のだし。」


 平然と話す好美、ただ「あの件」をしていない美麗の表情は驚きから焦りへと変わっていた。


美麗「何馬鹿な事してんの!!あんな莫大な借金、一生かかっても返せる訳無いじゃん!!」


 美麗の気迫に押された好美はこの世界に来てからあった事を全て話した、勿論守と同棲生活を始めた事も含めて。


美麗「それで?あのビル(というかマンション)を買って大家さんをしてる訳、じゃあ何で働いてんの?」

好美「いや流石に「世間体」ってものがあるでしょ、先に転生して来た人達が皆働いているのに私だけ何もしない訳にいかないじゃない。」

美麗「それにしても働き過ぎだって、拉麵屋やコンビニに王城で夜勤?!体壊してもおかしくないよ!!」

好美「心配してくれてありがとう、でも大丈夫。店はちょこちょこ手伝う程度だし、夜勤も週3回。私なりにこの世界での生活を楽しんでいるから安心して。」

美麗「うん・・・、好美自身かがそう言うなら良いけど・・・。」


 しかし、心中では好美の事が気がかりな美麗。


好美「何暗い顔してんのよ、これからこっちでの生活を楽しもうって時に。」


 未だ浮かない表情をする美麗を必死に宥める好美。


美麗「そうだね・・・、じゃあくれぐれも無理だけはしないでね、約束だよ。」

好美「分かったから・・・。ほら、部屋の鍵取りに行くよ。」


 何とかその場をやり過ごした好美は美麗を連れて不動産屋へと向かい、今日から新しく入居する友人を紹介した。


不動産屋「そうですか、では良い部屋をご用意しないとですね。」

好美「じゃあ・・・、あの部屋はどうです?」


 美麗が来る3カ月前、当時12階に住んでいた住民がバルファイ王国にある実家の団子屋を継ぐ事になったので退居して以来空室になっている部屋があった。


不動産屋「念の為、部屋を見に行きましょう。「いわく付き」では無いので大丈夫だとは思いますがね・・・。」

好美「もう・・・、縁起でもない事を言わないで下さいよ。私が一番焦るじゃないですか。」


 不動産屋のキツめのジョークに頭を抱える大家、その横では友人がこれから始まる一人暮らしに胸を躍らせていた。

 一行はエレベーターで12階へと上がり、廊下を通って「1205号室」の前に到着した。


美麗の新生活が始まる・・・。

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