522
どうでも良いんですけどまだ続くそうです
-522 まだ続くんすか?!-
この世界で(いや下手すれば元の世界でも)「世界一どうでも良い」と言われる裁判は何故か未だに続いていた、正直本来の目的からかなりかけ離れているのだが「ちゃんと判決を出さないと気が済まない」という者が約1名(誰かなのはもうお分かりですよね)。
好美「火傷しちゃうからしっかりと「フゥフゥ」して酢醤油で楽しまなきゃダメでしょ、絶対創造主(被告人)は有罪です!!」
周りからすれば「そんなの好みの問題では無いのか」と深くため息を吐きたくなる話題なのだが本人が必死になっているので致し方ない、早く裁判長に判決を出して貰おう(でないと話が全くもって進まない)。
ムカリト「お待ちください、先程被告人は「辛子をつける」と申しておりましたが何も付けずに食べる場合も十分あり得るのでは無いでしょうか。これは飽くまで「もしも・・・」の話ですが冷蔵庫に練りからしが無かったらどうするのでしょうか、それを聞いてみても良いでしょうか。」
確かに偶にそういう時もあるけど特に何も考えない事が多いです・・・、ってこれは何の裁判(話し合い)なんですか?!「有罪」となった場合どうなるんですか、その前に誰が判決を言い渡すんですか!!
男性「被告人、静粛に!!」
何故か大空から俺を止める声がした、この流れまさかな・・・。
ムカリト「国王様!!どうして御身自らこちらに?!」
やっぱり・・・、この国王は何処で聞きつけたのかね・・・。
デカルト「渚さんから連絡を頂いたので急いで来たんですよ、好美さんが宜しければ僭越ながら私が裁判長を致しましょう。」
好美「えっと・・・、逆に良いんですか?」
いや・・・、その前に一国の主を巻き込んでまで話す事では無い気がするんですけど。
渚「ピッタリの適役じゃ無いか、こんな事を頼めるのはデカルト以外にはいないはずだよ(だからせめて「様」を付けろって)?」
好美「渚さんがそう仰るなら・・・、お願いします。」
少し緊張しながらコッカトリスに裁判長をお願いする好美、ただ俺個人としては本当にこうなってしまうとは思っていなかった(どうこう言える立場じゃ無いけど)。
デカルト「それで・・・、改めて聞きますがこの裁判の争点は何なんです?」
「裁判」って言っちゃってるよ、王様も結構ノリが良い人(じゃなくて鳥獣)なんだな。
好美「先程被告人が「焼売を食べる時は辛子を付けてすぐに「パクッ」」と言っていたんですがそれだと蒸したての場合熱々なので「フゥフゥ」しなきゃって思ったんです、それにやっぱり焼売には酢醤油じゃ無いですか!!」
必死に語る好美、そしてそれを見て開いた口が塞がらないデカルト。
デカルト「えっと・・・、それって単なる好みの問題ではないんですかね。ほら、世の中「十人十色」って言うじゃないですか。」
裁判長・・・、私も先程からそう申しているんですが・・・。
デカルト「それに1つお伺いいたしますが好美さんは辛子を付けないんですか?」
好美「えっと・・・。」
何故か目線を外す好美、この流れだと俺は確実に無罪放免となる(はず)。
好美「酢醤油だけで楽しんでから後付けしますかね、一緒に付ける感じです。」
デカルト「ほう・・・、確かにその食べ方もありだと思います。美味しいですもんね。」
よし、これで俺の無罪は確て・・・。
デカルト「では判決を申し上げます。被告人及び好美さん両人共に・・・、「有罪」です!!」
好美「異議あり!!ちょっと・・・、何で私まで「有罪」なんですか?!」
デカルト「お2人共、辣油を忘れておられるので有罪です!!」
結局個人の好みじゃねぇか