516
話が進んだら良いんだが
-516 ロラーシュは・・・、そして渚は・・・-
国王も登場して来たので一同は改めて本題に入る事にした、問題の大臣がいる訳では無いが大丈夫なのだろうか。
デカルト「どうしましょうか、実は先程のお話を『探知』を使って聞いていたんですがやはり外壁の色は黒が良いと思いますか?」
好美「私は渚さんの意見に賛成です、拉麵屋のイメージと山の景観を損なわなくする為だったら黒にするのが一番ではないでしょうか。」
渚「でも一筋縄ではいかないんだろ?店主になる(予定の)ロラーシュは何色にしたいって言って来ているんだい。」
渚の質問に大きくため息をつきながら答えるデカルト、結構頭を悩ませている模様。
デカルト「はぁ・・・・、本当に呆れましたよ。」
渚「何だい、折角あんたの相談に乗る為に来てやったのにその台詞は。」
デカルト「すみません、渚さんにではなくロラーシュにです。私は国王として先祖代々伝わって来た「山の景観を損なう様な建築物を建ててはいけない」というこのルールを守って来ました、王城に働く者全員にも伝えていたはずなんです。勿論ロラーシュにも。ただ本人は「この店舗は自分の様に光輝く青にしたい」と申しておりまして、全く・・・。」
デカルトの発言を何とか理解しようとしたが一部だけ全くもって分からなかった渚、もうこの世界に来て長いんだからそれなりに分かってくれていても良いはずなんだが。
渚「「自分の様に光輝く青」ってどういう事なんだい、あいつは普通の人間の姿をしているじゃ無いか。」
大臣の修業を見守っている間を中心にずっと『人化』した姿ばかりを見てきたせいか、デカルト(ロラーシュ)の「青」の意味が分からなかった様だ。恐らく『人化』を解除した姿を見た事が無いと推測出来る。
デカルト「ほら・・・、本人ってミスリルリザードじゃないですか。」
渚「「ほら・・・」って、私が知っていたとでも思っていたのかい?」
本当に何も知らなかったらしい、結構長い期間一緒に働いていたというのに何を見て来たんだか。
渚「私から見たらただのおっさんだよ、私達と殆ど変わらないただのおっさん。」
デカルト「「ただのおっさん」ですか・・・、まぁ否定はしませんけど・・・。」
ロラーシュ自身がずっと拉麵屋の店主になる為の修業に集中していたからか、『人化』を解除する暇もなかったのでミスリル鉱石を食す余裕も無かったのだろう。それが故に渚は大臣がミスリルリザードである事を知らなかったんだと思われる、とは言っても掘削しているブロキント率いるゴブリン達に迷惑を掛けるから食べちゃ駄目なんだけどね。
渚「何だい、私が言っている事が間違っているとでも言うのかい?」
デカルト「滅相も御座いません、渚さんが仰った通りアイツは渚さんと変わらない「ただのおっさん」です!!」
ハッキリ言ってどちらが国王なのかも分からなくなって来た状況だが今はそっとしておくのが身の為か、だって渚は自分の見たままを正直に話しただけなんだから。ただ余計な一言があった様にも思える、それを決して聞き逃さなかった赤鬼。
渚「こら、私まで「おっさん」にしないでおくれ!!」
デカルト「えっと・・・、何か間違えましたかね・・・?」
国王様・・・、恐れながら申し上げますが完全に貴方がやらかしています。
渚「私は女なんだよ、「おっさん」じゃなくて「おばはん」だろうが!!」
いや・・・、そこは「お姉さん」ちゃうんかい。
渚「あんたまで何言ってんだい、もう私は「お姉さん」と呼んで貰える程若くは無いんだ。」
いや・・・、転生者なので年取らないでしょ。「お姉さん」で大丈夫ですから。
渚「あらそうかい、でも嬉しくなんて無いんだからね!!」
好美「いや渚さん、顔が赤くなってます。」
渚「この子ったら何を言ってんだろうね、暑いからに決まっているだろうが!!」
ここでも元の世界(日本)でも、女性は「お姉さん」と呼ばれるのがお好きな様だ。
あらら・・・、脱線しちゃった




