表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

504/667

507

見てるだけだが緊張するな・・・


-507 バカ達-


 目の前には正に「地獄絵図」と言える光景が広がっていた、トリニダート・スコーピオンとブート・ジョロキアをふんだんに使用した具材やスープや持続する熱さにより辛さは兄弟ケルベロスが食べ始めた時より増していた。ただ何となく様子がおかしい、守はそこにいた誰よりも早く2人の様子が変だと気付いていた。


守「大丈夫かな・・・。」

好美「何でそんな言葉が出るの?大好物(辛い食べ物)を食べているだけだから心配なんかする必要は無いと思うんだけど。」


 確かに好美は正論を言っている、しかし先程より兄弟から放たれている言葉を思い出すとどう考えても「大好物を食べている」幸せ者の様には思えない。

 そんな中、渚が麺を追加してから数分が経過していた。容器の中を見てみると思ったよりは麺が減っていない、どういう事なのだろうか。


結愛「2人共食うペースが落ちてんな、絶対何か秘密があるに違いねぇぜ。」

守「結愛もそう思うか?2人が麺を啜らない様にしているのはさっきから変わってないけどどう見ても勢いが無くなっているんだよな・・・。」


 食べ始めた時に比べると2人のペースは格段に落ちてしまっている、まぁこれはただの憶測なのだがまさかと思うが満腹感がもう来てしまったのだろうか。


結愛「なぁ守、よく見てみろって。さっきより赤色が濃くなってねぇか?」

守「それはさっき俺が言ったじゃねぇか、具材から辛み成分がスープに溶け出しているから辛さや赤みが増しているんだって。」


 いやいや、それは俺が代わりに言ったんだろうがよ・・・(と言いたいけど聞いてる訳無いわな)。


守「あのな、それはあんたが俺の台詞を勝手に取っただけだろうがよ。台本ちゃんと見てたのか?ここだよ、ここ!!」


 監督(いないはずだけど今はいる事にしとこう)、すいませんが「カット」でお願いします。えっと・・・、どれどれちょっと台本見せて・・・。ここか、本当だわ。すんません、俺が勝手に言ってました。


守「頼むぞ、俺達だって暇じゃ無いんだから台本位はちゃんと覚えてから来いよな。」


 すんません・・・、今度からそうしますって関係ねぇよ!!俺は創造主(作者)だぞ、俺が作り替えたって良いじゃねぇかよ!!

 まぁ良い、それより2人の様子を伺わなくても良いのか?


結愛「そうだよ、創造主バカに構っている暇があったらちゃんと見ろよ。」


 そうだぞ、バカに構っている暇なんてないんだろ?・・・って、誰がバカだよ!!


好美「そうそう、創造主バカの事は放っておいていいからちゃんと見届けようよ。」


 好美さんまで・・・、もう良いか。

 やはりペースが格段に落ちてしまっているケルベロス達、よく考えたんだがもしも満腹感が来ていると言うのなら衣服を緩めれば何とかなる様な気もする。

 そんな中でも貝塚財閥代表取締役社長ネクロマンサーはずっと料理を凝視していた、何かがおかしいとでも言うのだろうか。


結愛「やっぱりおかしいよ、確かに守の意見は間違っていないはずだがそれにしては酷い様な気がするんだよ。」

好美「えっと・・・、「渚さんのドS具合が」って事?」

結愛「まぁ簡単に言ってしまえばそうだな、鍋の中身がそう語っているだろ?」

好美「「中身」がねぇ・・・。」


 好美は結愛に言われるがままに改めて土鍋の中を見直した、ドロドロになったスープが良く絡んだ麺はまるでマグマを纏っている様だった。


挿絵(By みてみん)


守「いや待て、下手すればスープだけじゃねぇぞ。2人共、よく見てみろ・・・。」


 女性達は改めて中身を確認した、守はとんでもない物を見つけてしまった様だ。


好美「守・・・、あの麺ってもしかして・・・。」

結愛「中華麺じゃ無くて・・・、冷や麦か?」

守「いや結愛・・・、この空気で「冷や麦」はねぇだろ・・・。」


何でそうなるねん

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ