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結構な金額がかかるんじゃないの?
-499 取扱注意-
一応罪を認めた渚は「次会う時にビールを奢る」という事で好美に許して貰う事になった、ただネフェテルサ王国に聳え立つ高層マンションのオーナーを相手にしているので缶ビール1本では済まされないという事はちゃんと理解できているのだろうか(俺が気にする程の事でも無いか)。
渚「一先ず気を取り直してやっと手に入ったこの子達を使った新メニューを試すのに良いチャンスだと思うんだよ、楽しみで仕方が無いよ・・・。」
先日デカルトから受け取った物を手に顔をニヤつかせる渚、ただその手に持っている物は正直言って取扱注意と言える代物であった。
光「お母さんったら・・・、いくらブート・ジョロキアとトリニダート・スコーピオンが手に入ったからってテンション上がり過ぎてない?」
渚「そう言うあんただって人の事を言えるのかな?」
よく考えてみればこの母娘は根っからの辛い物好きだったので元の世界で1番辛いとされている唐辛子の登場に息を荒げていた、兄弟に関しては良いがこの世界の住民全員が同様とは限らない事をちゃんと理解しているのだろうか。
光「それで・・・、新メニューは完成したの?」
渚「あんたったら親を急かすんじゃないよ、今からこの2人で試すんだろ?」
光「そういう事か、何となく楽しそうな顔しているもんね。」
渚「あんたもだろ?」
どうやら母娘揃ってSに目覚めた様だ、度を越えなければ良いのだが。
真希子「あんた達・・・、その新メニューを食べたお客さん達が辛さで悶え苦しむ姿を想像していたんだろう。何て母娘なんだい・・・。」
渚「それは・・・、人聞きが・・・、悪い・・・、じゃ無いか・・・。」
笑いが止まらない渚、愛車(エボⅢ)が無くとも十二分に「赤鬼」と化してしまっている。
渚「私は辛い物好きのお客さん達が喜んで食べている姿を想像していただけさね、満足した顔をして帰って行くのを見るのが私は好きでね。」
正直本当の事を言っているかどうかを疑いたくなる言動だった、それが故に思わず『虚偽判定』を使用した結愛。
結愛「おば様・・・、嘘はついていないみたいです・・・。」
真希子「そうなのかい、結ちゃんがそう言うなら信じるけど。」
渚「どれだけ私の事を信用出来ていないんだい、何となくだけど傷つくんだけど。」
この流れでトンカツ屋の前にいた全員が「渚は激辛料理対決を仕掛けている」と気付いた、勿論兄弟も。
カラン「一先ずルールを確認したいんだけど、その新メニューを完食出来たら俺達の勝ちって事?」
渚「早い話がそういう事さ、どうだい?やってみるかい?」
今の今までトンカツ屋でのランチを楽しんでいたが「別にデカ盛りのメニューを食べなければならない訳では無いので大丈夫か」とあっさりと承諾した2人、それにこの世界はよく考えなくても大食いが多いので問題は無いだろう。
光「それは良いんだけど・・・、今から作るとして材料の仕込みとかは大丈夫な訳?」
渚「大丈夫さね、私を誰だと思っているんだい。」
そう言うと屋台の中にある冷蔵庫の中から既にある程度まで調理していた材料の入っている真空パックなどを取り出した、言うまでも無いがやはり全体的に真っ赤(まるで渚自身みたいだ)。
真空パックの蓋を開けようとした渚はゴーグルとマスク、そして手袋をして調理を始めた(『状態異常無効』があると言うのに必要なのだろうか)。
光「お母さんは大袈裟だね、『状態異常無効』があるんだから大丈夫だって。」
言っちゃうんだ、俺はどうなっても知~らない。
渚「いや流石にトリニダート・スコーピオンとブート・ジョロキアの2種類を舐めてはいけないだろう、やはり「念には念」だよ。」
いる?




