495
学生時代に戻りたい・・・
-495 食べ放題はやり放題なのか・・・?-
これは本当に偶然なのだがカランとミルは大学に通っていても兄弟での仲は良く、今日も2人でランチを食べに来ていた。「大学自体がバルファイ王国にあるのにこんな所で食事をしていたら3限目の授業(若しくは講義)に遅れてしまうのでは無いか」と言いたくなるがこの日は午前中で全て終わってしまった様だ、学生時代が「人生最大の夏休み」と呼ばれるのも何となく納得できる(違うって?)
渚「結愛ちゃん、あんた今「先生」って呼ばれてたけど・・・。」
渚は開いた口が塞がらない様子だったが結愛は貝塚学園の(一応)理事長なのでそう呼ばれてもおかしくは無い、しかし他に理由があると言うのなら教えて欲しいものだ(おい、聞かせてみろやコラ)。
結愛「今創造主も「(一応)」とか言ってましたけどそれはどういう意味ですか、私だって教鞭をとる時だってあるんです。」
結愛が「教鞭をとる時だってある」だって?!確か俺が知っている限りではこの前やっと「英検3級」に合格した結愛が?!
結愛「お前な、一回一回失礼だぞ。英語は駄目でも経営学に関しては得意中の得意なんだよ、改めて言うが俺はお前と違って社長だぞ!!」
正に「経験が物を言う」って奴か、確かに会社の経営に関してはプロ中のプロと言えるので納得がいく。ただ今重要なのは兄弟に関しての事では無いだろうか。
渚「2人共残念なんだけどね・・・、今日はもうランチが終わっちゃったらしいんだよ。」
未だ腹を摩りながら残念そうに語る渚、よっぽどこの店の豚カツが食べたかったんだろう。そんな渚とは違って2人には「あれ」があるので少し遅くなっても問題は無い様だ、学生が故の「あれ」が・・・。
カラン「俺達は学生だよ?学生証を出したら安く食事が出来ちゃうんだよ。」
この店は学生証を提示するとご飯が大盛りで出て来る学生専用のランチが800円というリーズナブルな値段で出て来る(どこかで聞いた事のある話だな)、しかもご飯や味噌汁だけではなくおかずとして出されるトンカツや唐揚げもお代わり自由という太っ腹なものだ(確実に赤字一直線)。
渚「なんてこったい・・・、羨ましいったらありゃしないよ・・・。」
愕然としている渚を「可哀想だな」と言わんばかりの目で見る事しか出来なかった結愛、まだステーキを目的に来ている客が並んでいるのもその理由の1つ(豚玉は何処行った)。
空腹が限界に達していた渚の近くから芳しい香りが漂って来た、どうやら結愛が軽く焼いたステーキにピューアが熱を加えながらソースをかけて香りも楽しめる様にしている様だ(いつの間にかポジションが変わってね?)。
渚「この食欲を刺激する香り・・・、まさか大蒜醤油かい?」
ピューア「そうです、他にもおろしポン酢やデミグラスソース等を用意してみました。」
「お客さんが各々の好みで楽しめる様に」と様々なソースを用意していた上級人魚、実は父親から教わったとの事で・・・。
ピューア「やっぱり「十人十色」って言いますからね、それに気分に応じて食べたい物や味って変わってくると思うんです(と言うか父から教わりました)。」
それもそうだ、俺も夜勤明けに大好きなトンカツ屋に寄った時は気分に応じて「おろしポン酢」や「タルタルソース」を選ぶ様にしている(関係無いって?)。「これはこれで食べなければならない」という決まりは決してない、皆が自由に選べた時に初めて楽しい食事になるのでは無いだろうか。
そんな中で何故か店の中からいつもは全くしてこない匂いがして来た、これはピューアにとっても初めての事だった様だ。
ピューア「何・・・、この刺激的な匂いは・・・!!」
渚「まさかあの2人・・・!!」
渚やピューアを含めその場にいたほぼ全員が鼻を押さえていると店の中からメラルークが飛び出して来た、かなり慌てているみたいだがカランとミルが関係しているのか?
メラルーク「助けてくれ、こんな事は初めてだ!!」
ピューア「お父さん、何があったって言うのよ!!しかも何その恰好は!!」
店・・・、潰れねぇよな・・・




