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486

簡単に言うんじゃ無いよ・・・


-486 成長と再会-


 利通は先程の発言を後悔していた、確かに「何でもする」と言ったのは事実だがまさか「車を貸せ」と言われるとは思わなかったからだ。ただいち警察官として住民の信頼を失う訳にはいかないと少し抵抗しつつポケットに手を突っ込んで車の鍵を取り出そうとしたがこの状況に「待った」をかけた人物が1名、「今日は走るつもりは無い」と言い張っていた「赤鬼レッドデーモン」の娘であった。


光(当時)「お母さん、流石にそれはまずいよ。車を借りて何かあったら困るじゃ無いの。」

渚(当時)「あんたったら心配性だね、車なんて金払って修理に出せば直るもんだろうが。」


 やはり転生時に与えられた1京円があるからか、少し強気になっているが決して忘れてはならない事実があった。


光(当時)「何言ってんの、今出してるエボⅢもだけど屋台として使っている軽バンを年に何回修理に出しているのか忘れている訳?ただでさえ修理代による出費がかさんでいるっていうのに他の人の車を借りるなんて言語道断だよ!!」


 今思えば渚のエボⅢに関しては神の加護が与えられているはずなのに今の状態になってしまっている、正直加護って意味(や効果)がある物なのだろうかと疑問に思ってしまう。


渚(当時)「何だい・・・、折角ベートに乗れると思っていたのに残念だね・・・。」

光(当時)「あのね、世の中には1人で責任を全部追いきれない事だって多くあるんだからそこん所ちゃんと考えないといけないでしょ?それに・・・、元の世界でお母さんがいなくなってから私がどれだけ寂しかったか分かってるの?!」


 「助かった」と言わんばかりに胸を撫で下ろすハーフ・ドワーフの隣でため息をつく渚。


光(当時)「ちょっと、返事が無いけど分かった訳?!」


 いち母親だからが故に説教慣れしているので1つひとつの言葉に圧を感じる、これはダンピールのガルナスも苦労するわな・・・。


渚(当時)「分かったって・・・、まさか娘のあんたにお説教されるとは思わなかったよ。」


 初めて説教を喰らった様に言っているが、確かこの世界で再会したばかりの時に寝具の事で説教を喰らっていた気がするのは俺だけだろうか。

 そんな中、横から渚の肩を「ちょんちょん」する人物がいた。渚がその方向に振り向いてみると顔がそっくりの男性達が2人、どうやら兄弟の様だが誰なんだろう・・・。


男性①「お姉さん、良かったら俺達の車を使ってよ。」

渚(当時)「急になんだい、見ず知らずの私に車を貸してくれるのかい?」


 渚の顔を見て微笑みかける男性達、渚は訳が分からなくなっていた。


渚(当時)「あんた達・・・、『人化』してるみたいだけどケルベロスの様だね。私ケルベロスの知人なんていたかな。」

光(当時)「お母さんって色々と忘れやすいから仕方ないんじゃない?ほら、拉麺を食べに屋台に来たお客さんだったりして。」


 光は飽くまで憶測で言った様だが実はその通りだった様で・・・。


男性②「そうだよ、俺達昔お姉さんの「辛辛焼きそば」を食べたんだけど忘れちゃった?」

渚(当時)「ごめんね、職業柄色んな人と顔を合わせているから覚えきれなくてね。」


 毎日屋台で3国を回って商売しているので多種多様のお客さんと相見えるので全員の顔を覚えるのは流石に大変だと言っても過言では無い、それを察した男性は何かを思い出したかの様に車の中で探し物を始めた。


渚(当時)「突然どうしたってんだい、探し物ならここより家でやった方が良いんじゃ無いかい?」

男性①「ちょっと待って、多分「あれ」を見たら俺達の事を思い出してくれると思うんだ。」

渚(当時)「私がね・・・、思い出せたらいいんだけど。」

男性②「ただ小さくて古い紙だから見つかるかな、大事に持っていたつもりだけど知らないうちに何処か・・・。」

男性①「あった!!これだ!!」


 男性がやっとの思いで見つけ出した小さなメモ用紙を受け取った渚はそこに書かれた「たった一言」を目にして感動していた、何と書かれていたのだろうか。


挿絵(By みてみん)


渚(当時)「あんた達・・・、立派になったからあの時のお代を払いに帰ってきたんだね。」


渚を感動させたのは誰?!

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