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だからいつ豚玉は出来るんだよ・・・
-470 金の重要度は生活、いや好美に勝つか?-
原因が好美の発言だったからと言って「いくら何でも昼間から発言が大胆過ぎやしないか」とツッコミを入れてしまいそうになる今日この頃、ただ肉屋の店主は何も知らなかったが故に冗談のつもりで言ったみたいだが恋人達はここ最近随分ご無沙汰になってしまっていたのでついつい顔を赤くしてしまっていたらしい。
好美「な・・・、何を言っているんですか!!馬鹿な事を言ってないで早く仕事に戻って下さいよ!!」
ケデール「いや・・、2人共同棲しているんだからそう言った事なんて日常茶飯事じゃないのかなと思っていたんだけどな。」
守「店長・・・、それ以上言うと「あの事」を御兄弟や奥さんに話しますよ?」
ケデール「守・・・!!そ、それを言われてしまうとガチでマズいからやめてくれ!!」
これは数日前の事、店を休みにしていたケデールは相も変わらずネフェテルサ競艇場で散財してしまっていた様でそれを偶然食材の買い物に出ていた守に目撃されたらしい。因みにこの時、好美は自らがオーナーを務める「暴徒の鱗 ビル下店」の手伝いをしていたとの事なので何も知らなかった(という事になっている)。
好美「守、「あの事」って何?」
好美は顔をニヤつかせながら尋ねていた、本人曰く人の悪い噂を聞くのは一興との事。
ケデール「守・・・、言ったらどうなるか分かってんだろうな?」
以前の様に住み込みでは無いとしても守はケデールの店で今でも働いている、という事は2人の生活費の一部はこの狼男が握っていると言っても過言では無い。
好美「守、怒らないから言ってごらん?」
元の世界にいた頃から健在となっている「鬼の好美」を目覚めさせる訳にはいかないのでいっその事言ってしまっても良いかとも思ってしまう、守は1人葛藤していた様だ。
守「ど・・・、どうすれば良いんだろう・・・。」
「お金」を取るか、それとも「危険回避(?)」を取るのかは守の自由だがこれから先の事を考えれば一瞬だけの恐怖で済むので俺個人的には前者を取るべきでは無いかと思う。
好美「守、私に秘密なんてして良いと思っているの?ちゃんと言ってくれないと家から追い出すよ?」
守「げぇっ・・・!!」
これはまずい事になった、同棲を言い出したのは好美の方からだったがこの国で1番大きなマンションの大家(若しくは有名となった起業家)に追い出されたとなるとそれ以降の生活に大きな影響を与える可能性が無くは無い(こういった噂は回るのが早い気がする)。
ケデール「守・・・、もし言ったら3ヶ月の間70%減俸だぞ?」
いくらまたギャンブルをして負けた事をバラされたくないからと言ったとしても、流石に「70%減俸」は酷過ぎやしないだろうか(しかも3ヶ月)。
するとその時、息子のピンチを『察知』した大企業の筆頭株主兼レストラン副店長から『念話』が。
真希子(念話)「ケデールさん、うちの息子をいじめたらどうなるか分かってんだろうね?」
ケデールの店(と言うよりこの世界にある企業や個人事業の多く)が貝塚財閥の傘下に入っているので真希子の発言がかなりの影響力を持っている事は一目瞭然だ、今後の為を思えば流石に怒らせる訳にはいかない。
ケデール(念話)「待って下さいよ、俺が何をしたと言うんですか!!」
いや・・・、元々はあんたが散財したからこうなってんだろうがよ(違うかったか?)。
真希子(念話)「ここには「結愛社長」もいるんだからこっちからすればあんたの店を潰すなんて簡単な事なんだからね、ねぇ結ちゃん?」
結愛(念話)「おば様・・・、私でも流石にそこまでしたくはないです・・・。」
『念話』で伝わる位の真希子の脅しは結愛にかなりの恐怖心を与えてしまっていた様だ、本当にまずくなって来たから今の内に謝っておいた方が身の為と思われる。
ケデール(念話)「え、えっと・・・、ですね・・・。違うんです・・・、ねぇ・・・。」
弁解の余地なし




