468
突然だが持論を語らせて欲しい
-468 最も大切な物-
しつこい様だが大企業・貝塚財閥が最も大切にしているのは「信用・信頼」だ、それは「きっと「実績」なんかよりも・・・」と考えているのかも知れない。しかし俺自身はこう考える、「信用・信頼があるからこそ実績は生まれるものなのだ」と(ただし「逆だ」と言われても反論するつもりは無い)。ただどうしてか、それは「周囲の方々の信用・信頼に応えるべく行動した(働いた)からこそ実績があるのでは無いか」と独自に思っているからだ。
同様に大切にするべきなのはもう1つ存在する、それは前述したが「周囲の方々(言ってしまえば人)」だ。そして結愛と違って「ただの会社員」である俺は「周りの方々と共にお仕事をさせて頂いている」と言う考えがあるので必ず念頭にあるのは「感謝」という言葉だ、それが故に(個人的にだが)貝塚財閥(というか結愛)にもそうあって欲しいと願うばかりである。
結愛「おい創造主、何1人で語ってくれてんだよ。お前に言われなくたって俺の考えはその通りだっての、だからこうやってお客さんの要望に応えようとしてんじゃねぇか。」
そうだったな、ただ目の前の鉄板をよく見てみろや。お客さんに頼まれて作っている「出汁醬油味の焼きそば」になる予定(だった?)の麺が少し焦げ付いているが大丈夫か?
結愛「えっ・・・?こ・・・、これは敢えてだよ!!」
ほう・・・、では是非その理由をお聞かせ願おうか。ほら、早く言ってみぃ。でないと最も大切にしている「信用」がガタ落ちしかねないぞ?
結愛「これは敢えて少し焦がして麺をカリッとさせる為だよ、食感も楽しめる様にな?」
男性客「そうなんだな・・・、だけど・・・。」
結愛の発言にあった「穴」を発見してしまった男性客、傍らから見ているだけの俺(創造主)からも「鋭い」という誉め言葉を述べておこうか。
結愛「「だけど」・・・、どうされました?」
男性客「だったら何でさっきの2種類の時はしなかったんだ?」
結愛「ゲェッ・・・!!」
おい社長さん、今思いっきり「ゲェッ・・・!!」って聞こえたぞ?まさか「忘れてた」とかいうオチじゃねぇよな?
結愛「チィッ・・・、見破られてたか・・・。」
少し焦りの表情を見せた貝塚財閥代表取締役社長は男性客に聞こえない様に小さく舌打ちをした、これは正に「図星確定」。
男性客「何の理由も無いの?もしかして忘れてただけ?」
結愛「そ・・・、そんな訳無いじゃ無いですか。えっと・・・、そうです!!別料金をお支払い頂いているのでそれが故の「隠し味」にしようと思っていたんですよ。」
忘れていた事を必死に隠そうとしているのが俺からは見え見えだったがそこはやはり大企業の社長、即興で思いついた理由も何となくもっともらしく聞こえる。
男性客「そうか、それは楽しみだなぁ!!」
男性客の反応に安堵した結愛、ただ深く息を吐いた魔法使いの耳にまさかの言葉が。
女性客「ねぇ、私にもそれを頂戴!!カリカリの食感をした焼きそばを食べてみたいのよ!!勿論別料金を払うからさ、ねぇお願い!!」
やはりそうなったか・・・、これはまずい事になったんじゃねぇの?ここまで来たら「ただ麺を放っていたのを忘れていただけで偶然出来ただけなんです」なんて言えないよな?
結愛「わ・・・、分かりました!!分かりましたから順番にお並び頂けますか?!」
「これはまずい事になった」と言わんばかりに焦る結愛、今は共に調理をしていた筆頭株主と友に助けを求める事しか出来なかったが・・・?
結愛「お・・・、おば様!!ピュー!!助けて下さいよ!!」
ただ救いを求める結愛の言葉は届かなかった様で、口笛を吹く真希子とピューア。
真希子「さてと・・・、もう少しだけキャベツを切っておかないといけないね。」
ピューア「えっと・・・、わ、私紅生姜持って来ます。あれが無いと味気ないですから。」
うん、確かに




