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能力もちゃんと使おうね・・・(?)
-466 多様性の時代-
結愛が『アイテムボックス』に手を突っ込んでごそごそとし始めてから数分が経過した、それが故に痺れを切らした真希子は「致し方ない・・・」と思いながら先程『作成』した『アイテムボックスモニター』を『付与』する事に(いやいやもう少し早くやれよ)。
結愛「これはいい物を『作成』されましたね、流石はおば様です。助かりました。」
真希子「礼には及ばないよ、それより早く探している物を取り出したらどうなんだい。」
結愛「そうでした、ちょっと待って下さいね・・・。」
結愛はそう言うと目的の物を発見したので名称を押して取り出してみる事に、本当に便利な機能を付けたもんだなと感心してしまうが早くしないと豚バラ肉やモヤシが焦げ付いてしまう(下手すればもう既に手遅れになっているのかも知れない)。
真希子「何だ、ただの中華麺じゃ無いか。それにしても大量じゃ無いかい?」
ピューア「結ちゃん、そんなに大量に入れて店でも始めるつもり?」
いつの間にかピューアも「結ちゃん」呼びをしていたが今はスルーしておこう、それにしても店を出せる程度に大量に入っていたと言うなら結構目立つはずなのにどうして見つからなかったのだろうか。
結愛「おいおい、俺は麺好きだって言ってなかったか?」
ピューア「いや、全く。」
真希子「私もだねぇ。」
真希子から出たまさかの返答に目を丸くする結愛、しかし今は調理を優先すべきである。
結愛「おば様もですか?まぁ、いいでしょう・・・。えっとこれを・・・、少量の水でほぐさないとね・・・。」
「大人モード」と「悪ガキモード」を上手く使いこなす貝塚財閥代表取締役社長、器用というか面倒というか・・・。
ただ結愛の取り出した麺を見た上級人魚は「あれ・・・?」と思っていた、どう見ても1種類だけには見えていなかった様だ。
ピューア「ねぇ、どうして太麺と細麺の両方がある訳?別に1種類でよくない?」
種類が多いと色々と面倒になってしまわないかと疑問に思うがネクロマンサーにはちゃんとした考えがあった様だ、訳が分からなくなっている2人を横目に鉄板の具材を半分に分けて・・・。
結愛「半分には細麺、そしてもう半分には太麺を加えて・・・。」
双方を器用に炒めだした社長は再び『アイテムボックス』に手を突っ込んだ、だから『アイテムボックスモニター』を使えって(正に「宝の持ち腐れ」)。
結愛「あったあった、これが欲しかったんだよ。」
そう言うと2種類の調味料を取り出して鉄板上の料理を味付けしていった、どうやら「ソース焼きそば」と「塩焼きそば」の両方を作っていた様だ。
ピューア「器用なもんね、でも1種類で良いんじゃ無いの?」
結愛「あのな、世の中は今「多様性の時代」だぞ?多くの意見や好みを理解してこそじゃんねぇか、皆が各々で好きな物を好きな様に食える様に配慮するのも良い事だと思うぜ?」
確かに自分の好みで料理などをカスタマイズできる店が多いのも否定できない、どうやら結愛は皆が平等に楽しめる状態を作りたかった様だ。
結愛「それに葱焼きを食ってるお客さんを見てみろよ、ほらあそこ。」
社長が手差しした先にいた2人のお客さん達は葱焼きを醤油とポン酢で楽しんでいた、そう言えば先程葱焼きを作っていた時に味付けをしていなかった様な・・・。
ピューア「それにしても何処にそんな調味料があるってのよ、皆が普段から使っている物を持って来たって事?」
結愛「いや、あそこを見てみな?」
結愛が改めて手差しした先を見てみるとそこには調味料の乗ったテーブルが立っていた。
ピューア「何あれ・・・。」
結愛「どうやらお前の父ちゃんが用意したみたいだぜ?」
気が利くメラルーク




