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何やってんだ一体・・・
-464 シンプルイズベスト?-
先程まで焼いていた葱焼きを鉄板の右半分に寄せて先程の豚バラ肉の薄切り((小)というより端材と言うべきか)ともやし改め「如意菜」を一緒に炒め始めた、まさかと思うが「結愛のアイデア」ってただのモヤシ炒め(改め如意菜炒め)なのかと落胆してしまう俺がいた(傍らで見ているだけだからこういう意見を出すべきではないと思われてしまうが今までが今までなので致し方ない事にして欲しい)。
ピューア「あんたね、画期的なアイデアっにしてはシンプル過ぎやしない?」
言っちゃったよ・・・、俺も言わない様にしていたというのに言っちゃったよ・・・。
真希子「結ちゃん、まさかまた前菜を作るつもりなのかい?」
結愛「まさか、メインの1つとして販売しても良い料理の1つですよ。」
意味が分からなくなっている筆頭株主と上級人魚が正しく「開いた口が塞がらない」状態となっていた横で楽しそうに炒め物を続ける貝塚財閥代表取締役社長、一体何を作ろうとしているのだろうか(と言うか元々セレブだったはずなのにどうしてそんな貧乏くさい料理を作っているんだ)。
結愛「お前な、俺はシンプルなモヤシ炒めが好きなんだよ。それに経営が上手く行ってなかった時に重宝してたんだ、俺が今でも感謝している料理に対して舐めた口を利いているとどうなるか分かってんだろうな!!」
分かったよ・・・。
俺に対してやたら風当り強いんだが今は本当に話を進めたいから今は触れない様にすべきなんだろう、本意では無いがこれこそ致し方ない。
真希子「結構美味そうになってきたじゃないか、まさかと思うけど他の食材や調味料も使わないでそのまま提供するつもりかい?」
結愛「まさか・・・、このままですと流石にお客様に対して失礼じゃ無いですか。」
おい結愛、さっきお前自分で「今でも感謝している料理」って言ってたじゃねぇかよ。まぁ良いか、このままだとまた話が進みそうに無いから自我を抑えておこうか。
大企業の社長はもやしとバラ肉を炒め続けていた手を止め『アイテムボックス』の中に手を突っ込んで何かを探し始めた、数分の時間が経ったがまだごそごそとしていた。
結愛「あれ?確かこの辺にあったと思うんだけどな・・・、沢山あるからすぐ分かるはずなんだけどな・・・。」
真希子「あんた・・・、随分と探しているみたいだけどまさかまだ中の整理をしていないのかい?」
結愛「忙しくてそんな余裕無いですよ、それに一応この中は三次元だから掃除とかは必要ないと思っていたんです。」
真希子「だからってね、何もしないだなんて駄目じゃ無いか。どんな広い部屋だって物を運び込んで押し込んだりしたらすぐに狭くなっちゃうんだよ?」
結愛「確かに実感が湧きました・・・。「たった今・・・」と言いますか、「先程」と言いますか・・・。」
ん?「先程」だって?コイツ何を言ってんだ?
真希子「「先程」だって・・・?」
結愛「(あっ・・・、つい口が滑っちった)お、おば様!!空耳ですよ、私は「たった今」としか申しておりません。」
ピューア「いや結愛、あんたハッキリと「先程」って言ってたじゃ無いの・・・。」
結愛「ピュー、お前余計な事を言うんじゃねぇよ!!」
どうやらこの2人の間で何かしらの問題があった様だ、ただろくでもなさそうに思えるのが気の所為であって欲しいと願いたい。
真希子「まさかあんた・・・、この前買ったばかりなのにまたゲーム機買ったのかい?!」
結愛の趣味の1つが「テレビゲーム」なのは確かだ、ただそんなに次々と本体を買うことは無いと思うのだが?
結愛「(ギクッ・・・!!)そ、そんな訳無いじゃ無いですか・・・!!昨日おば様と部屋にあるゲーム機の整理をしたばかりではでしょう、昨日の今日で買う訳が・・・!!」
結愛の声をかき消す様に『念話』が来た、ある意味空気の読める秘書をお持ちの様で・・・。
ヒドゥラ(念話)「結ちゃ~ん、早く仕事終わらせて今朝届いたゲームで遊びましょうよ。」
真希子「結ちゃん・・・、今のはどういう事だい?」
あらら・・・




