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プッチーン・・・
-462 ベタ-
貝塚財閥代表取締役社長の発言に対して超個人的に腹が立ったので(一応)創造主である俺の力を示す為に一度『雷撃』でも落としてやろうかと思ってしまったが、周囲に上級人魚や筆頭株主含めた全くもって関係のない住民達もいるのでここは大人しくしておこうかと自分を抑えつける今日この頃・・・。
やはり真希子(おば様)に決して逆らう事は出来ない結愛は内心「仕方ない・・・」と思いながら持っていた豚バラを真半分に切ってから器用に薄切りへと加工していった、正直俺自身は薄切りまでは出来ないので「すごい・・・」と思いながらその光景に見入ってしまっていた。
真希子「ちょっとあんた、今小耳に挟んだけど「仕方ない」なんて思っていたのかい?」
結愛「お、おば様・・・!!滅相も御座いません!!そんな訳が無いじゃ無いですか、喜んでさせて頂いておりますよ!!」
ピューア「そう?そう言う割には作業が雑に見えるけど?」
ほぼやけくそだったからだろうか、薄切りへと加工された豚バラは大きさがまばらになっている様に見えた。
結愛「それはえっと・・・、あ、「敢えて」だよ!!どうせ手作り感が出るしすぐ食うから問題ねぇだろ?」
確かにひっくり返してソースを塗りたくってしまえば大きさなど分からなくなってしまう、しかしこのままではベタな「あの問題」が発生してしまいそうだが今は様子見様子見・・・。
ピューア「あんたね、同じ値段を払って購入するお客さんの間で「俺のよりお前の奴の方が肉でけぇじゃねぇか!!」っていう言い争いが勃発したらどうすんのよ!!」
結愛「その場合は・・・、枚数でどうにかするよ!!」
真希子「あのね、これだけのお客さんの前でそんな小細工が出来るのかい?」
結愛「それは・・・、その・・・。」
良いぞ、もっと言ってやれ!!
結愛「待てよ、今平等にする方法を考えているんだろうがよ!!」
真希子「ほう・・・、では「流石有名な社長さんは違うねぇ」と言える意見を頂戴しようじゃ無いか。」
ピューア「楽しみ楽しみ。」
結愛「ピューもかよ・・・、それこそ仕方ねぇな・・・。」
両手の人差し指を頭の付近でくるくると縦に回した結愛は目を瞑って妙案を考え始めた、何となく「ポクポクポク・・・」という木魚の音が聞こえて来たようなそうでない様な・・・。
真希子「あんた・・・、またベタな事をするね・・・。」
結愛「待って下さいよ、今考えているんですから・・・。」
それから数十秒が経っても結愛はじっとしている、2人は何となく嫌な予感がして来た。
ピューア「師匠、このパターンまさか・・・。」
真希子「私も同じことを考えていたんだけどね・・・。ちょっと、結ちゃん?」
そっと結愛の顔に耳を近づける2人、すると・・・。
結愛「zzz・・・」
2人「寝んな!!」
2人から結構強めのツッコミを喰らった一気に目を覚ました、正直首の骨が折れる勢いだった様な(そしてこの光景も何処かで見た事がある様な)気がする。
結愛「三途のか・・・。」
ピューア「だーっ、大人の事情があるんだからやめんかい!!」
真希子「往年のギャグを挟んで来るんじゃないよ、まさか2つもベタな件をやってくるとはあんたも侮れないね・・・!!」
こうは言っていたものの2人は結構冷静だった様だ、しっかりと結愛が思いついた妙案を聞こうとしていたが故か。
ピューア「それであんた、結構な時間が掛かっていたけど何か思いついた訳?」
結愛「・・・。」
真希子「何だい、どうしてそんなに静かなんだい?ちょっと、結ちゃん?」
結愛「・・・すんません、何も思いつきませんでした。」
2人「ばっかもーん!!」
駄目だこりゃ・・・




