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460

全てはお客様の為であります!!


-460 この世界って一体・・・-


 調理を開始する事にした結愛はその姿がすっかり板についているパンツスーツの袖を捲って気合を入れた、一応魔法使い(ネクロマンサー)なので魔法を使えば良いのでは無いかと思うがどうやら手作業に拘りたい様だ。


挿絵(By みてみん)


ピューア「あんた・・・、何でコテを持つ姿がそんなに似合う訳?」


 その前に俺はまず「どうしてこの異世界にお好み焼きという概念が存在しているのか」を改めて問いたくなっていたが「どうせビクター・ラルーの影響だろうな」とその気が失せてしまった、本当にここは日本に似た世界だな全く・・・。


結愛「良いじゃねぇかよ、住みやすい場所なんだから。と言うか全部をビクター神様の所為にするのは良くない事だと思うんだが?」

ピューア「そうよ、私もこれだけは結愛に賛成するわ。」

結愛「おい、「これだけ」ってどういう事だよ!!「これだけ」って!!」


 確かに(一応)俺がこの世界の創造主なので結愛の意見を否定する事は出来ない、ただ今はそんな事を言っている場合では無いと思うんだが?


結愛「「そんな事」って何だよ、重要だろうがよ!!」

ピューア「そうよ、大事な事なんだからちゃんとしなきゃ!!」


 そうですけど・・・、お二人さんは自分達が今何をしておられるかをちゃんと理解して下さっています?


結愛「「俺達が何を」って葱焼きを作ってんじゃねぇか・・・。」

ピューア「そうそう、どう見てもそうじゃ無いのよ。」


 じゃあその「葱焼き」を見てみなよ、どう見てもまずい状況になりかけているぞ?


結愛「どういうこ・・・、ってヤベェ!!」

ピューア「本当よ、早くひっくり返さなきゃ焦がしちゃうじゃない!!」


 焦った結愛は葱焼きの下にコテを挿し込んでひっくり返した、どうやら俺が思っていたよりは落ち着いていた様なので綺麗な状態でひっくり返せたみたいだ。


結愛「ふぅ・・・、どうだよ!!初めてにしてはちゃんと出来ただろ?!」

ピューア「初めてだったの?!だったらその自信は何処から出て来ていた訳?」

結愛「お客さんを不安にさせるのは貝塚財閥の者として駄目だからな、「何でもやれば出来るの精神でチャレンジする事」を社是にしてんだよ。」

ピューア「どんな会社なのよ・・・、まぁその陰でこの世界が成り立っているからどうも言えないわ。」


 そうこうしているうちに葱焼きの反対の面も美味そうに焼けて来た、結愛はコテを再び挿し込んで今にも出来上がりそうな料理を盛りつけようとしていたがまさかの事態が・・・。


結愛「おいピュー、皿がねぇじゃねぇか。何に盛るんだよ!!」

ピューア「え?お好み焼きって鉄板から直接食べる物じゃ無かったの?」

結愛「お前な・・・、本当にこの世界の出身なのか?」


 実は初めてお好み焼きの作り方を教えて貰った際、真希子が小さなコテを使って鉄板から直接食べていたのを見ていたのでその事が記憶に残っていたらしい。


ピューア「一応小さいコテも用意してんだけど・・・、どうしようか?」

結愛「それ店での食い方だろうが、もう一度聞くがお前って本当にこの世界の出身なのか?」


 本人の持つ運転免許証やギルドカードにも記載されている事なのだが、このニクシーはこの世界にあるダンラルタ王国の出身である(と言うかピューアの実家にいるんだから分かるだろうがよ)。

 ただどうしてピューアが「コテを使って鉄板から直接食べる」という方法を知っていたのかと言うとネフェテルサ王国の小さな路地にあるお好み焼き屋で初めて真希子から作り方の教授を受けたからである、どうやら熱々のお好み焼きを熱々のまま食べれるのでニクシー自身が気に入っていた様だ。


結愛「まぁ良いか、ただコテはあってもこのままじゃ取り合いの喧嘩になりかねないぞ?俺1人で焼いてるから一気に何枚も出来ねぇって。」

ピューア「それは盲点だったわ、じゃあもうすぐ生地を混ぜ終わるからそっちに加わるね。」

結愛「おう、助かるぜ。」


 そう言って残りの生地を混ぜ始めたピューア、一体何人前を作る気なんだろうか・・・。


赤字にはするなよ?

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