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はよ焼こうや・・・
-455 やっちったかも・・・-
「ふりそで」や「ちょうちん」といった今現在話題として必要としていなかった焼き鳥の部位を並べたが故に結構ベタなはずの「鶏皮」を思い出すまで想像以上の時間がかかってしまった2人、正直言って今は余計な事に時間をかけたくないのだがあまりこちらが口出しするとまた突拍子もないツッコミ(いや暴言?)を喰らってしまうのでやはりそっとしておくのが1番なのかもしれない。
ただ今唯一言えるのは「余りにも時間をかけすぎて鶏皮が必要な理由をちゃんと覚えているかどうかが疑わしい」という事、一先ずじっくりと様子見をしてみるか。
ピューア「ねぇ結愛、最初に「あれ」って言い出したのはあんたなのに何で私が分かっている事になってんのよ。」
結愛「仕方ねぇだろ、最近好美の店に呑みに行っていないんだからすっかり忘れちまったんだよ。」
正に傍らから見ていた俺もため息をつきたくなってくる様な言い訳に思える、今結愛の台詞に出て来た「好美の店」こと「暴徒の鱗 ビル下店」で焼き鳥は販売されていない(一応中華居酒屋と言うよりラーメン屋ですから)。
ただこの台詞を『察知』したが故に黙っていないのが約1名、勿論今話題に出て来た店のオーナーである(好美さん、待ち望んでいた出番ですよ)。
好美(念話)「何よ、さっきも呼んでいたじゃない。本当にこの話って私が主人公な訳?」
まさか俺へのクレームから始めるとは・・・、流石と言うか何と言うか・・・。
えっとですね、「主人公」というより「主要人物の1人」とお考え頂けたら助かるのですが宜しいでしょうか・・・。
好美(念話)「じゃあ誰が主人公なのよ、ハッキリしなさいよ。」
守(念話)「そうだよ、俺も気になっていたんだが?長編1作目からいるから実は俺だろ?」
結愛(念話)「待てよ、俺だったりする可能性もあるだろうが!!」
あのすみません・・・、今は『念話』でそんな下らない言い争いをしている場合じゃないと思うのですが?
結愛(念話)「お前がハッキリしねぇからだろうがよ、誰が原因を作ったんだこの野郎!!」
俺です・・・、何かすんません・・・。まぁ一先ずこの話題はそこに置いといて、話を進めても良いですか(多分その内忘れるだろう、そうあって欲しい)?
好美(念話)「ちょっと・・・、まさかと思うけど今日の出番ってこれで終わり?」
守(念話)「わざわざ呼んでおいて扱いが雑じゃねぇのか?」
そうは言うけどあんたら元々仕事中だろうがよ、守に至っては呼んでねぇし。まぁ良いか・・・、話を進めるぞ?
やっとのことで「鶏皮」を思い出した貝塚財閥代表取締役社長は「C’ s キッチン」で提供されているメニューについて確認してみる事に。
結愛「(この野郎無理矢理進めて誤魔化しやがったな)ピュー、チキンカツを提供する時って皮はどうしてんだ?」
ピューア「普通はそのまま一緒に揚げるけど必要に応じて外す時もあるかな、お父さんに聞いてみようか?」
実はずっと厨房に戻っていなかったので皿洗いの事が気になっていた上級人魚、ただメラルーク(マーマン)も『メイクスライム』が使えるはずなので別に気にする必要は無いと思うのだが。
ピューア「何言ってんの、1つひとつの作業を大事に行う為に仕事中は可能な限り魔法を使わない様にしてんのよ。お父さんに見習って私だってそうしてんの、勿論「新店」でもそうするつもりだからね?」
そう言えばピューアって「暴徒の鱗」の新店関連でこの場にいたんだったな、結構な期間が経っているから忘れかけていたわ。
ピューア「一先ず外した鶏皮があるかお父さんに聞いて来るね。」
そう言って店の調理場へと戻ったピューア、ただ娘の目にはまさかの光景が。
ピューア「お父さん、何『メイクスライム』使ってんの!!可能な限り魔法には頼らないんじゃ無かったの?!」
メラルーク「いや・・・、こんなに忙しくなるとは思わなかったんだよ!!これってまさかと思うけど結愛社長の影響なのか?!」
そうとも違うとも言えると言いますか・・・




