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いくら何でもあんたら考えすぎやろ
-453 多分異世界で最も無駄な時間-
「結愛(そこの社長さん)が突如思いついた秘策を使わなくても豚の味は豚で活かせば良いのでは?」という意見を持っている客が3人の動きを眺めている中で、一先ず上級人魚は結愛が何を考えているのかを尋ねてみる事に。ただ貝塚学園理事長兼貝塚財閥代表取締役社長(だから長いつうの)がハッキリと言おうとしないから少し苛立っているみたいだ、正直こういう事はあまり引っ張らない方が良いと思うんだけどな・・・。
ピューア「結愛、早く言ってよ。私だっていつまでもここにいる事が出来る程暇じゃ無いんだから。」
ピューア自身は父親(店主)に言われたから此処にいるのだが店内の事が気になって仕方が無い、正直言って早く事を済ませて仕事に戻りたい一心であった。
結愛「悪かったって。いやね・・・、俺だって偶に「何を聞こうとしていたか」を忘れる時だってあるんだよ。「あれ無いか?ほら、あれだよ。」と聞いても「あれって何?」という返答しか返って来なくなるだろ?」
ピューア「成程ね、それであんたが忘れていた「あれ」が何か思い出した?」
結愛「確かほら・・・、焼鳥とかでもよく出て来るだろ?俺塩で食うのが好きなんだよな。」
「そこまで出て来ているなら物自体も既に思い出しているだろう」と思われるが何となく面白くなって来たので一旦そのままにしておこうか、こういった時って「すれ違い」もあるだろうからな。
ピューア「えっと・・・、フワフワの?それともカリカリでクニュクニュ?」
いやお前も忘れとんかい、本当に名前を忘れているなら注文する時どうすんねん。
真希子「あんた達ね、「だんじり」を思い出すのにどんだけ苦戦してんだい。」
2人「それを言うなら「ぼんじり」でしょうが!!しかも全くもって見当違いだし!!」
真希子「何でそこだけ意見が一致しているんだよ、2人同時に言う必要無いじゃ無いか。」
あらら・・・、このままだと話が進みそうにないから俺の方から言った方が良いのかな。
結愛「ここ(喉元)まで出て来てんだよ、お前は余計な事言うな!!」
分かったよ・・・、じゃあ頑張って搾り出して下さい。ただその台詞が出た時って思い出すまでまだ時間が掛かる事が多いんだよな・・・。
ピューア「一先ず焼き鳥の種類を1つずつ言ってみない?そうしている内に思い出すかもしれないじゃない?一先ず「砂肝」から言ってみる?」
あ~あ・・・、こりゃ豚玉が出来た頃には深夜になっちまいそうだな。
結愛「そうしてみるか。えっと・・・、取り敢えず「ぼんじり」だな。」
おい、それさっき真希子が言ったからだろ。絶対そうだろ。
ピューア「う~ん・・・、「ふりそで」。」
結愛「そう言う路線ね、それなら「ちょうちん」。」
ピューア「成程ね・・・、じゃあ「ヤゲン軟骨」・・・。」
結愛「ピューもやるじゃねぇか、だったら「せせり」。」
ピューア「「白子」。」
出てくる部位がやたらマニアックだな、と言うかピューアも人魚なのに詳しいな・・・。
結愛「「せぎも」。」
ピューア「「おたふく」。」
結愛「「あいだ」。」
ピューア「「油つぼ」。」
お前ら絶対思い出してんだろ、早く言えや。
結愛「えっと・・・、「捏ね」。」
ピューア「「もも」。」
やっと近づいて来たか、多分そろそろ出てくるだろうよ。
結愛「「ヤゲン軟骨」・・・、あっ!!」
ピューア「はい、結愛の負け~!!さっき私が言いました~!!」
真希子「あんた達、いつから「焼き鳥の部位」で山手線ゲームしてたんだい・・・。」
遊んでただけかい・・・




