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好美にはどうしても聞きたい事が有った。


-㊺ きっかけは一服-


 恐れながら女神(というより古龍)に質問した好美には気になる事があった。


好美「あのセリー神様、どうして美麗メイリーはこの世界に来ることになったんでしょうか?」


 今までの転生者達のパターンでは、映像付きで説明がされていたが、神々の世界でも親子の間で違いがあるらしく・・・。


挿絵(By みてみん)


セリー「そうですね・・・、美麗みれいさんは覚えてらっしゃいますか?」

美麗「えっと確か・・・。」


 美麗が言うには降雪は無かったものの、コート等を羽織らなければ外を歩けない2月の事だった。

 この日美麗は、会社の会議で使う資料を自室に忘れたのでランチついでに家(というか店)へと取りに帰っていた。恥ずかしかったのか、親子はずっと中国語で話していた。


挿絵(By みてみん)


王麗(回想)「あんたも相変わらずな子だね、いくら会社が家に近いからって習慣クセになっていないかい?」

美麗(回想)「仕方ないでしょ、昨日だって遅くまで部屋で仕事してたんだもん。資料纏めるの大変なの。」

王麗(回想)「よく言うよ、ただ飯目的で帰ってきているクセにちゃんと小遣いから引いておくからね。」

美麗(回想)「何よ、ケチ!!」


 そんな中、2人にはある違和感があった。


王麗(回想)「何か焦げ臭いね・・・。」

美麗(回想)「そうだね、1号棟の方かな。」


 するとその「1号棟の方」から男性の叫び声が。


男性「火事だー!!」


 どうやら1号棟1階のコンビニの店員がフライヤーの電源を切らずに煙草へと向かった為に強すぎたガスの火が油に引火して火事が起こった様だ、至って冷静だった親子2人はすぐ近くにあった消火器を手にコンビニに向かった。


王麗(回想・日本語)「皆さん、下がって下さい!!」

美麗(回想・日本語)「誰か、消防車と救急車の手配をお願いします!!」


 こういう現場に慣れているのか、流石は飲食店及び警官の親子だと言える位の手際で消火を始めた。

 数分後、必死の思いで火を弱くした2人の耳にまさかの一言が入って来た。


女性「中に・・・、子供が・・・!!」


 店内が未だに燃えている中、親子連れで来ていた母親が涙ながらに訴えて来た。その声を聞いた美麗はダッシュで店内へと向かった。


王麗(回想)「美麗!!」


 母の呼び声を背に果敢に救出に向かう美麗は、火により崩れていく瓦礫の中を進んで行った。


美麗(回想)「おーい、大丈夫?!返事をして!!」

子供「助けて!!ここだよ!!」


 入口から向かって左奥にある冷蔵庫の前で助けを求めていたその子供はずっと叫んでいた、美麗は子供の手をしっかりと掴んで引いた。


美麗(回想)「もう大丈夫だからね、お姉ちゃんについて来て!!」


 炎が燃え盛る中、美麗と子供は口をハンカチで押さえて低姿勢で出入口へと歩を進めた。動かなくなった自動ドアに近付き、子供を外へと出した、その時・・・!!


美麗(回想)「キャー!!」


 美麗の上に脆くなった天井の板が落下して来たのだ!!そして次の瞬間、目の前が真っ暗になった後に好美の家のプールに落ちて来たらしい。


1つのミスが大きな事態を生む時がある。

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