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夜勤族の妄想物語4 -7.異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~-  作者: 佐行 院


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422/671

425

誰か、助けてやって


-425 卵-


 傍らからすれば確かにナイリがメンゾに便乗した様にも見えてしまうが親子がメンゾに対して稲作の指導や田んぼの提供を行っていたので「ギブアンドテイク」の関係性が生まれていた故に問題は無かった様に思える(のだろうか)、きっとこの事を鳳凰フェンも天界から見ていたはずなので「罰が当たった」事は無いと信じたい。

 ただ未だに卵を産む事の無い鶏を見て上級鳥獣人達は先程以上に心配になっていた、普段なら鶏舎の決まった所に産みたての卵が豊富に集まっているのだがこの日に限っては全くもって「ゼロ」となっていた。流石に親子でなくともこれに関しては心配になってしまう、そんな中鶏舎の端で数羽ほどの鶏たちが声を荒げて鳴き始めた。こんな事、今まであった様な無かった様な(今はそんな事どうでも良いか)。


ナイリ(当時)「父さん、いくら何でもうるさ過ぎやしないか?鼓膜が裂けそうだよ!!」


 親子は2人共必死で耳を塞いでいたが嘶きを防ぎきれずにいた、ただ鶏たちの表情は何処か苦しそうに見える。


ソン(当時)「え?何だって?」


挿絵(By みてみん)


 あまりにも激しい鳴き声だったので息子の声が全くもって聞こえていなかった父、これでは埒が明かない。

 そこで声での会話は不可能だと思ったナイリは一先ず鶏舎の出入口を指差して「いったん外に出よう」と提案した、きっと誰だってそうする(と思う)。


ナイリ(当時)「父さん、今までこんな事ってあったの?!少なくとも俺は初めてなんだけど!!」


 社会人になってからと言うもの、ブラック企業で働いていた当時はずっと実家に帰る事が無かったが故に幼少の頃の記憶しか残っていなかったナイリ。やはり今は(最低でも)自分より鶏舎について詳しい父に頼るしかないと思うのが当然の事だと言える。


ソン(当時)「こんなの前代未聞だよ、ずっとこの鶏舎で鶏たちを見守ってきたが初めてだ。と言うより鶏がこんなに鳴くだなんて知らなかった位だ、何とかして欲しいのは俺の方だよ!!」


 未だ止まない鳴き声とその影響による頭の痛みを堪えながらも恐る恐る鶏舎へと近づいていくソン達、外にいるままでは解決方法が分かる訳が無いので今は出来る限りの事をしたいと思う。


ソン(当時)「一先ずこれを貸してやるから使え、丁度この前商店街の福引で当たった耳栓を入れたままにしておいて正解だったわ。」


 「入れたままにしておいた」というより「入れっぱなしにしていたのを忘れていた」という言葉の方が正しい様な状況だが今はそれ所では無い、正直「禍を転じて福と為す」と言うか何と言うか(違うか)。

 それは良いとして、耳栓を使用した親子は未だに激しく鳴く鶏の方へと向かった。よく見れば先程より鳴いている鶏が増えている様に思える、このままでは近隣住民に迷惑をかけてしまうのでそれは避けたい一心であった。


ナイリ(当時)「大丈夫か?何があったっていうんだ?」


 1羽へと近づき優しく撫でるナイリ、その手に溢れていた愛情が伝わったのかその1羽は鳴くのを止めた。そして鶏がその場を離れると・・・?


ナイリ(当時)「あれ?これなんだろう・・・。」


 よく見れば普段に比べて一回りも二回りも大きな卵が落ちていた、どうやら先程の鶏が産んだ物の様だ。と言う事は・・・?


ソン(当時)「こいつら皆産まれる寸前って事か?!ナイリ、早く籠を持って来るんだ!!」


 産みたての卵を急いで集めようと提案するがお互いに耳栓をしているので意思の疎通が出来ていない、致し方ない様なそうでない様な・・・。

 だがナイリも同じ事を考えていたので2人は急いで卵を集める用の籠を持ち込んだ、念の為家にあった全ての籠を持って来たがその大きさが故に足りるかどうかが心配である。

 暫くして、ようやく鶏たちの鳴き声から救われた親子は鶏舎に残った卵をすべて集めて家へと入った。


ナイリ(当時)「確認だけどこれって・・・、一応鶏卵だよね?」

ソン(当時)「うん・・・、多分そう思う・・・。」

ペンネ(当時)「それ以外ないんじゃない?うちってダチョウとか飼って無いでしょ?」


ここ、養鶏場ですから

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