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社長様方にはお帰り頂いて・・・
-416 何となく、ねぇ・・・?-
元々地獄耳であるネクロマンサーの結愛は必要かどうかが一切分からない加護を受け取りながら相変わらず山積みになっている仕事と打ち合わせを進める為に『瞬間移動』で会社へと戻って行った、ただそれを見送った鳳凰は突然の『瞬間移動』にその場で立ち尽くしていたが「まぁ何でもありの世界だから良いかな」と改まった様に養鶏場の経営者の方へと振り返った。
鳳凰「悪いな、つい仲間意識が芽生えてしまって楽しくなっちまったんだ。別にお前らの事を忘れていた訳じゃ無いから許してくれな。」
神だからって決して驕ることは無く、周囲の者を気遣う気持ちを大切にしている女神。
そう言えば・・・、何か与えようとしていたのでは?
鳳凰「そうだそうだ、一宿一飯のお礼を渡そうと思っていたんだよ。ちょっと待ってくれ。」
メンゾ(当時)「何を仰いますやら、お気遣いなさらないで下さい。」
とは言いつつも、内心「鳳凰様からの贈り物って何なんだろう」とワクワクしていた上級巨獣人。
ナイリ(当時)「なぁメンゾ・・・、「早く頂戴」ってお前の顔に書いてあるぞ?」
存在すら伝説となっていたあの「鳳凰」からの贈り物なんて、、相当価値のある物に違いないと踏んだメンゾは「相当なお宝ならすぐに売ってお金にしてしまおう」と考えかけていた(この罰当たりな奴め)。
メンゾ(当時)「そんな訳ねぇよ、俺がそんな図々しい人間に見えるか?」
「見える見えない」の問題では無い、と言うより元々君は人間では無いだろう(そっちじゃ無いって)?
そんなメンゾ達をよそに神は懐から片手大の小さな袋を取り出してもう片方の手を突っ込んで探し物をし始めた、それから数分もの間静寂が辺りを包んでいたが何か長くね?
ナイリ(当時)「鳳凰様・・・、恐れ入りますがどうかされましたか?」
時間が経つにつれて段々焦っていく鳳凰、見た感じそんなに物が入りそうな袋には見え無いが中はどうなっているんだ?
鳳凰「な・・・、何でもねぇよ。もうちょっとで出てくるはずなんだ・・・、多分この辺りだと思うんだけどな・・・。」
袋の中にはどんな空間が広がっていると言うんだろうか、まさかこれが『アイテムボックス』の起源だったりするのか?
鳳凰「邪魔すんなって、でないと見つかる物も見つからないだろうがよ。」
分かったよ、何も言わないから心置きなく探してくれ。
≪し~ん・・・、となりながら20分経過≫
メンゾ(当時)「お・・・、俺・・・、お茶淹れて来るわ・・・。」
ナイリ(当時)「そ、そうだな・・・。俺も手伝うよ。」
≪2人が台所へと向かい、戻って来てから更に10分経過≫
俺、そろそろ洗濯機が鳴るはずだから言ってくるわ・・・。
2人(当時)「いやいやいやいや・・・、あんたがここにいなきゃ話が進まないだろう?」
分かってるけどさ・・・、何か・・・、ねぇ・・・?
メンゾ(当時)「何だって言うんだよ?」
言って良いのかよ、俺の口から言って良いのかよ?
ナイリ(当時)「だってあんたは創造主、言ってしまえば鳳凰様の上司って事だろ?」
おいおい待てよ、俺には「様」を付けるつもりも無しか?
ナイリ(当時)「いやあんたはもう慣れているからもう良いだろ、それより大丈夫かな・・・。」
鳳凰「もうちょっとだけ待ってくれ、多分この辺りに・・・。」
まだかなぁ・・・?




