412
鶏舎の奥にいたのは一体・・・(やっとお出ましか)
-412 新たな一柱の存在-
ナイリは鶏舎の奥で煌びやかに、そして神々しく輝く眼前の光景を未だに信じる事が出来ずにいた。ただただ立ちすくむ事しか出来ない上級鳥獣人、その目の前で先程からサングラスが必要な位に眩しく輝いているのはどう見ても・・・?
ナイリ(当時)「メンゾ・・・、これは鶏だよな?食肉用の(ブロイラー)だよな・・・?」
目の前の神々しい存在が何なのかを必死に確認しようとしたが友人は答えようとはしなかった、何故なら光り輝く鶏の様な物に対してずっと跪いていたからである。
メンゾ(当時)「馬鹿野郎・・・!!お前も早く跪け!!失礼に当たるだろうが!!」
ナイリ(当時)「な、何だよ・・・。」
意味が分からないまま、そして言われるがまま仕方なくその場に跪いたナイリはそこまでしなくてはいけない様な存在とは一体何なんだろうかと気になって仕方が無かった。
メンゾ(当時)「鳳凰様、我が友が大変失礼致しました。」
未だに眩しく光り輝く眼前の存在に謝罪の意を表するメンゾ、それにしても今耳を疑ったが「鳳凰」って言わなかったか(うっそだぁ~)?
鳳凰「構わぬ・・・、その者は我の存在も知らなかったのだ。こういった態度となるのも致し方ない、してその者、名は何という。」
唐突に名を聞かれどうする事も出来ないバルタンは「伝説」とも言われた存在に未だに声が出そうにもなく、ただその場に跪く事しか出来なかった。
ナイリ(当時)「先程は大変失礼致しました、私めはナイリという者でございます。」
鳳凰「ナイリか、よく分かった。さて、礼には礼だな。我も名乗らなければならないがこのままではちと話しにくいのう・・・、少し待っていてはくれぬか?」
メンゾ(当時)「滅相も御座いません、どうかお気遣いなく。」
鳳凰「メンゾよ、悪いが貴様に言っている訳では無い。我はナイリに対して礼を尽くそうと申しておるのだ。」
メンゾ(当時)「はっ・・・、大変申し訳御座いません!!」
鳳凰「分かれば宜しい、では少し待て。」
鳳凰がそう言うと段々とだが光の眩しさが弱くなって来た、そんな中で2人の目の前には和服姿の綺麗な女性が現れた。どうやら鳳凰も2人に気を遣って『人化』した様だ、それにしても「一柱の神」である古龍以外の神的存在が現れるとは想像もしなかったな・・・。
鳳凰「すまなかったな、これで話しやすいだろう。何だ、ずっと跪いているままでは疲れるであろう。苦しゅうない、面を上げい。」
おいおい、先程から気になっていたけど和服姿もそうだが言葉遣いも結構古風だな。
鳳凰「誰じゃ、神である我に向かって先程からぶつくさ言っているのは。」
もしかして俺か?この世界の創造主(作者)だが?
鳳凰「これはこれは、偉大なる創造主様。知らなかったとは言え大変失礼致しました、どうかお許し願えませんでしょうか?」
鳳凰さんでしたっけ?やめて下さいよ、俺はそこまで偉大な存在ではないですから。どうかその頭を上げて下さい、それとフランクに行きましょうよ、ね?
鳳凰「何を仰いますか、創造主様無しでは我々どころかこの世界も存在していなかったのです。貴方様は偉大なる御方です、この事はあの古龍達にもしっかりと伝えて行かないと。」
お気持ちは嬉しいんですけど堅苦しいのが苦手なのでどうかフランクにお願いします、でないとこの先気を遣ってばかりになってしまうので。
鳳凰「左様でございますか、創造主様がそう仰るならそう致しましょう。それで・・・、ビクター達は何処にいるんだよ?ちったあ俺ん所に顔出しても良いんじゃねぇのか?」
いやあんた、急に変わり過ぎだろ!!「悪ガキモード」を発動させた時の結愛か!!
鳳凰「ほう・・・、俺に似た存在がいるってか!!ちょっと呼び出そうぜ!!」
おいおい、それじゃあ神と言うより校舎裏のスケバンだぞ・・・(古ぅ~)。
何となく会わせたくねぇ・・・




