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どうしても見せたくないらしい・・・
-411 秘密-
興味津々のナイリに心が折れたので致し方なく鶏舎の中へと案内するメンゾ、ただ未だ本人はため息をずっと漏らしている様だ。
ナイリ(当時)「おいおい、さっきからずっとため息ばっかりだが鶏舎を見られるのがそんなに嫌なのか?」
決してそんなことは無いと思われるが、まさか「自分は大罪を犯そうとしているのではないか」と少し不安になっていた上級鳥獣人。そして鶏舎へと案内している際に友人の方をずっと不安げにチラ見する上級巨獣人、これはただ事では無い様な気がする。
そんな中、息を飲みながらメンゾが鶏舎の前で突然足を止めた。
ナイリ(当時)「あっぶね・・・!!な・・・、何なんだよ。」
メンゾ(当時)「改めて確認しておいて欲しい事があるんだ、良いか?」
ナイリ(当時)「ガチで何なんだよ、今までお前がそんな表情を見せた事なんてあったか?」
魔学校を卒業した時期を忘れていた事から考えると2人は結構長い付き合いだったと推測されるがメンゾがこの様な表情を見せたのは今回が初めてだったという、これは想像を絶する程の事態が起こったのでは無いだろうか。
メンゾ(当時)「俺だってこんな事は初めてだから動揺してんだよ、正直言うけど今から明かす事は俺と親父だけの秘密にしようと思ってたんだから他の誰にも言うなよ?兎に角うちはブロイラーだ、「鶏」を扱っているという事は当然分かってくれているよな?」
ナイリ(当時)「そりゃ勿論だ、レイヤーのうちと違ってお前の所がブロイラーだからこうやって勉強に来たんじゃねぇか。」
当初の目的をしっかりと覚えているナイリ、ちゃんと勉強しないといけないという気持ちが強いからかその手にはメモ帳がしっかりと握られていた。
メンゾ(当時)「分かった、ただこの事は本当に「くれぐれも内密に」で頼むな。出来ればそのメモ帳もしまってくれると助かるんだが。」
ナイリ(当時)「そこまでなのか?まぁ・・・、お前の気持ちが最優先だからそうするよ。」
ナイリが渋々とした表情でメモ帳を衣服のポケットにしまうと鶏舎の中へと入ったメンゾ、当然の事なのだが中では多くの鶏が生活していた。
そんな中、鶏舎の奥に何故か黒い布で覆われた場所があった。メンゾはその前まで友人を案内して再び立ち止まった、そしてゆっくりと息を整えだした。
ナイリ(当時)「何でそんなに緊張してんだよ、中にいるのはたかが鶏だろ?」
メンゾ(当時)「「たかが」だって?!もしもお前の言う通りならこんなに緊張する事なんてないさ!!良いか、今から言う事はくれぐれも・・・。」
ナイリ(当時)「「内密に」だろ?早くしろよ、全く・・・。」
ナイリがそう言うとメンゾは周囲を覆っている黒い布の一部を捲り上げて一言、中からは何故か眩しい光が漏れ出ていた。
メンゾ(当時)「失礼致します、私の友人がお会いしたいと申しているのですが宜しいでしょうか。」
物凄く丁寧な口調で声をかけるメンゾ、その横でナイリ「ただ鶏が言葉を理解するとでも言うのか?」と思っていると中から神々しい声が。
声「通すが良い、丁度私も暇を持て余していた所だ・・・。」
ナイリは訳が分からなくなっていた、「何で中から女性の声がするんだ、誰かいるのか?」とただただポカンとした表情を見せるばかりであった。
メンゾ(当時)「感謝致します、では失礼致します。」
そう言うと何も分からずその場でたた突っ立っていただけのナイリを中へと案内した、やはり中から眩しい光が漏れ出ている。
ナイリ(当時)「な・・・、何だこれ!!何も見えない!!」
メンゾ(当時)「すまん、忘れてた。初めての奴には刺激が強いからこれをかけてくれ。」
友人に手渡されたサングラスをかけたナイリは同様に装備したメンゾにより改めて中へと案内された、そこには煌びやかに輝く大きな鶏(?)が。
ナイリ(当時)「お・・・、おい・・・!!これ何なんだよ!!」
だから何なんだよ!!




