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410

ナイリって真面目だな・・・


-410 やっぱりここは異世界ですからね-


 新たな挑戦に胸を躍らせる上級鳥獣人バルタンは近所に住む上級巨獣人タイタンの友人が経営する養鶏場の鶏舎で真剣にメモを取っていた(今更言う事では無いが勿論2人共『人化』しているので種族など全く関係無いのだが念の為って奴さ)、因みに毎朝の餌作りの作業は朝一の習慣になっているそうだ。


友人「一般的には食用油を原料としたペレットやグランブルがよく使われるけどうちは父ちゃんの代から小麦やトウモロコシを粒状にしてあげているんだ、やっぱり誰だって美味しい物が食べたいだろう?」


 自分の仕事に誇りを持っていると言わんばかりの満面の笑みを見せる友人、本当に幸せなのが見て取れる(良い事良い事)。


ナイリ(当時)「やっぱりな・・・、ただの油より美味しいものの方がいっぱい食べて良く育つって事なのかな。」


 どうやらこの世界の鶏は我々のいる元の世界の物とは何処か違う様だ、ただ大切なのは肉の味と安全性である気がするが・・・。


友人「まぁ親父も俺も料理が好きだから丁度良いんだ、やっぱり美味しさや食材に拘りたいじゃん?」


 ぼんやりとした記憶だが、以前ダンラルタ王国にあるクァーデン家の奴隷として捕まっていた巨獣人ジャイアント達も調理師免許を取得する程に料理が好きだった気がする。それが上級であるタイタンとなると素材にも拘る様になるらしい、これがレベルの違いってやつなのかな。


ナイリ(当時)「なぁ・・・、うちで育てた米を粒状にして餌にするのはどう思う?」

友人「きっと良い鶏に育つと思うよ、お前んちの米って本当に美味かったもんな。」


 実は養鶏場を経営する傍らでナイリの父であるソンは庭に作った田んぼで米作りを行っていた、元々家で食べる様に作っていたそうなのだが食べきれそうに無かった事が多かったので近所の家にお裾分けしていた事があった様だ(という事は結構な量を作っていたと推測できるが今は気にしないでおこうかな、話が進まないもん)。


ナイリ(当時)「でもよ、今思ったんだが鶏の餌に味なんて関係ねぇんじゃねぇか?あいつらに味覚があるってのかよ。」

友人「それがさ・・・、俺がこの養鶏場を引き継ぐ少し前だったんだが・・・。」


 友人が言うには、まだ貝塚財閥で働いていた頃に外でバーベキューをしていたそうなのだが本人の好みでよく炙った唐辛子を火から上げた時に誤って近くにあった鶏の餌箱に落としてしまった事があったらしい。


挿絵(By みてみん)


ナイリ(当時)「メンゾ・・・、お前ってそんなに鈍くさかったか?」

メンゾ(当時)「箸が滑ったんだよ、仕方が無いだろ?」

ナイリ(当時)「まぁ良いよ、続きを聞かせてくれるか?」

メンゾ(当時)「それがさ・・・。」


 メンゾが誤って餌箱に入れてしまった唐辛子を取りに行こうとした時、餌と間違えて食べた鶏が一羽いた。すると・・・。


「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


 辛さに怯える鶏の鳴き声が響き渡った、どうやらこの世界の鶏には味覚が存在する様だ(そして辛い物が極端に苦手)。


ナイリ(当時)「成程ね・・・、因みにその鶏はどうなったんだ?」

メンゾ(当時)「べ・・・、別に何も変わらず健康に育っているよ?」


 あからさまに動揺するメンゾ、これを目の前の友人がとは思えない。


ナイリ(当時)「おいおい、何を隠してんだよ。」

メンゾ(当時)「何も隠してねぇって、何でそんな事聞くんだよ。」

ナイリ(当時)「何処からどう見ても動揺しているのが見え見えだぞ、何があったんだよ。怒らないから言えって。」

メンゾ(当時)「分かったよ・・・。」


 ナイリの言葉に圧倒されたメンゾは仕方なく鶏舎へ案内して事件の合った方を指差した。


ナイリ(当時)「おいおい・・・、あれ何だってんだよ!!」


ナイリは何を見たんだろうか・・・

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