表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

406/668

409

勉強とは気合入ってんな


-409 忘れてた-


 ソンから養鶏場自体を任された息子ナイリは数日後に近所に住む上級巨獣人族タイタンの友人が経営する養鶏場へと向かった、ここはナイリの家と違い食肉用のブロイラーのみを扱っているとの事で何か参考になればと思った様だ。


挿絵(By みてみん)


友人「ナイリじゃないか、いつ以来だ?」


 久々の再会を全力で喜ぶ友人、本心ではそれ所ではないと言いたいが折角時間を作ってくれた友人への礼儀を欠いてしまうので応える事に。


ナイリ(当時)「確か魔学校を出て以来だったはずだったから・・・、何年前だったっけ?」

友人「おいおい勘弁してくれよ、まぁ俺も人の事言えないんだがな。」


 今頃解説すべき事では無いかも知れないが、この世界にいる獣人や魔獣はエルフやドワーフと同様に長命な存在である事が多いのでどうやら自分が何年前に魔学校を卒業したのかを忘れてしまう事が多いらしい。因みにこれは余談だが自分が上級の種族に進化した事も気づかない事が多い様だ、言ってしまえば「どうせ今までと生活は変わらないから種族なんてどうでも良い」という意見を持っている住民が少なくも無い。


ナイリ(当時)「それにしてもお前、確か貝塚財閥の本社(バルファイ王国支社)で働いてなかったか?」


 魔学校を卒業してから様々な仕事を経験した最後に貝塚財閥をやめて今に至る様だ、簡単に言うとナイリとは逆の人生を送って来たと言っても過言では無いのかも知れない。


友人「実は父ちゃんが腰を悪くしちゃってね、心配だから手伝いをさせてくれって名乗ったんだ。そのお陰で毎日おふくろの味を楽しめるから結果オーライってやつさ。」

ナイリ(当時)「お前って奴は・・・、昔(ジャイアントの頃)から食いしん坊なのは変わらないな。」

友人「よせやい、それだと俺がいっぱい食う良い男みたいに聞こえるだろ?」

ナイリ(当時)「あのな・・・、褒めたつもりは無いんだが?」

友人「いやいやいやいや・・・、今の俺んちでは誉め言葉だぞ?」


 学生時代を懐かしみながら何気ない会話を楽しむ2人、ただナイリはここに来た目的を忘れていないか?ただ世間話をしに来た訳では無いだろう?


友人「それでナイリ、今日はどうしたんだ?ただただ話をしに来たんだったらわざわざ時間を作ってまで会う必要は無かったんじゃ無いか?」

ナイリ(当時)「そうだよ、忘れてたよ。」


 またかい、ここでも「蛙の子は蛙」を実感させられるとはな・・・。おいおい、種族は遺伝されていないのにどうして「忘れん坊」は受け継いじゃってんだよ。


友人「そんなの俺が知るかよ、と言うかあんたは誰だよ!!」


 この世界の創造主(作者)だ、それと今の言葉は決してお前に言っていない。


友人「何なんだよ、それでナイリはここに来た目的をちゃんと思い出せたのか?」


 そうだよ、今気にするべきなのはそこだよ。


ナイリ(当時)「うん、時間を稼いでくれたおかげで何とか思い出せたよ。」

友人「べ・・・、別にそんなつもりは無かったんだが思い出せたなら良いか。」


 そりゃこっちの台詞だ、でも感謝してるぞ。それで?ここにはどうして来たんだ?


ナイリ(当時)「いやな、お前の所って鶏の餌とかどうしてんのか聞きたかったんだよ。うちは昔からレイヤー中心だから食肉用の鶏ってどうやって育てているのかを聞いて今後のヒントに出来ないかと思ってさ、駄目だったか?」


 腕を組んで悩みだす友人、何か不都合でもあったのだろうか。


友人「俺は別に構わないんだが、ただの手伝いだから親父程あんまり詳しくはねぇぞ?それでも良いのか?」

ナイリ(当時)「勿論だ、話せる範囲で構わない。」


 ナイリの返答を聞いた友人は一瞬ホッとしていたが何処か不満げだった、何故だ?


友人「なぁ・・・、俺の名前っていつ出るんだ?」

ナイリ(当時)「うん、多分明日。」


あ、名前考えるの忘れてた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ