405
だから「台本」は誰が書いてんだよ!!
-405 大人なんだからルールはちゃんと守りましょうね-
その場の勢いに任せて浴びる様にビールを呑みまくった後、台本通り(?)「魔力が有り余っていた光はそこにいた全員を連れて『瞬間移動』した」との事。俺の知らない所で誰がその台本を書いているのだと言うのか、1度でも良いからその現場を見てみたい物だ。
光(当時)「な・・・、何・・・。台本通りやったけど駄目だったの?まさか撮り直し?」
いや大丈夫ですって、別にドラマの収録をやっている訳ではないですからお気になさらないでください。俺はただ興味本位で「見てみたいなぁ・・・」と思っただけですよ、そして「ここの動きとボケ、ちょっと付け足しますか」的な会話を交わしてみたいんです。
光(当時)「「動きとボケ」って・・・、これはコントじゃないんでしょ。」
はい、すんません・・・。反省しますので話を続けても宜しいでしょうかね。
光(当時)「そうね、でないとこの長い回想シーンがいつまでも終わらないもんね。」
恐れ入ります、では光様の優しいお言葉に甘えさせて頂きます。
『瞬間移動』をしたのはいいものの、今思い出したんだがさっきまで皆がいたのって居酒屋だったよな?何か忘れている様な気がするんだが気のせいか?
ナルリス(当時)「いや、気の所為じゃ無いよ。俺達は街の中心地に近い所にある居酒屋でビールを呑んでいたんだ、何か問題でも?」
いやね、さっき俺が言った通り本当に「その場の勢い」でこっちに来ちゃったもんだから全員して「あれ」を忘れてはいないかなと思ってね?
光(当時)「あんたね、「あれ」って何で敢えて隠すのよ。」
念の為って奴ですよ、皆が吞み過ぎて忘れてはいないか確認する為です。それで・・・、「あれ」を忘れてはいませんか?
ナルリス(当時)「勿体ぶらないで言えよ、「あれ」が何かによったら大事になりかねないだろうが。」
仕方ないな・・・、俺が言いたかったのは「お会計」ですよ。流石に全員して忘れているって事は下手すれば「食い(いや呑み)逃げ」って事になっちゃいますよ?
光(当時)「あ、本当だ・・・。それってまずくない?」
口をポカンと開けて途方に暮れる光達、ただ最初に居酒屋で呑もうと言い出したダーク・エルフ本人が「そんな事も知った事か」と言わんばかりに速攻で続きを始めようとしていたので・・・。
ナルリス(当時)「このままだとお店の人に迷惑だ、一先ず俺が支払いに行ってくるよ。」
吸血鬼はそう言うと先程までいたお店に『瞬間移動』で戻り、一応事情を説明して支払いを行う事に(説明してもお店の人が事情をちゃんと理解してくれたかは不明だが大丈夫だろう、そういう事にしとこう)。
ただ会計の金額を見たナルリスは思った以上の金額に驚きを隠せなかったので一先ず原因を突き止める事に、「でも多分あの人なんだろうな・・・」と思ってしまったのは俺だけだろうか。
ナルリス(当時)「店員さん、すみませんが何が一番高かったんですか?」
店員「そうですねぇ・・・、ちょっと確認しますね?」
レジの画面をじっくりと確認する店員、こっちの世界にあるレジも結構高性能な物になっている様だ。これも貝塚財閥、いやそれとも神様のお陰か(今頃聞く事でも無いかも知れないが)?
店員「お待たせいたしました、見た感じですがどうやら「メガジョッキ」でのビールが1番高額になっているみたいですね。それと「焼酎」ですかね・・・。」
ナルリス(当時)「分かりました、お手間をお掛けして申し訳ありません。お会計をお願いしても良いでしょうか、それと領収証をお願いします。」
店員「かしこまりました、恐れ入りますが宛名はいかが致しましょうか?」
レストランのオーナーは最も呑んだ犯人へと沸き上がった怒りを込めた。
ナルリス(当時)「ミ・・・、「ミーレン」でお願いします。」
店員「お客様・・・、怖いです・・・。」
カスハラになりかねない・・・




