404
大騒動にならなきゃ良いが・・・
-404 無茶は言うべきでは無い-
ナルリスによる精一杯のツッコミを『探知』でも使って聞いていたのか、妻の光が数秒後に『瞬間移動』してきた。もう既にお分かりの方々もいらっしゃると思われるが母親や弟を含めて転生者達同士で呑んでいたので顔を赤くするほどに気持ち良くなっている、相も変わらずこの世界の住民は酒好きばかりだ(勿論未成年を除く)。
ナルリス(当時)「光・・・、どんだけ呑んだんだよ。明日はパン屋の仕事があるんだろ?」
光(当時)「大丈夫、明日は遅番だから午前中に酔いを醒ませば問題無いって。」
夫の心配をよそに『アイテムボックス』から取り出した缶ビールを開ける妻、ただ1本や2本だけなら良かったが1ケースも取り出していたのでそこにいた全員が止める羽目に。
ミーレン(当時)「光さん・・・、帰れなくなったらどうするんですか。」
光(当時)「大丈夫よ、私を舐めないで頂戴。私魔力には自信があるのよ。」
いや・・・、光が神と同等の魔力を持っているからと言って関係があるかと言われるとなかなか「Yes」と答えづらい。先程まで泥酔していたミーレンがほぼ素面に戻っていた位だ、大騒動にならなかっただけでもマシと思うべきだな。
ナルリス(当時)「それで・・・?どうして光が?」
光(当時)「いやね、、皆して「本来は真希子さんが行くべきだ」と思っていたんだけどあまりにも吞み過ぎていたもんだから私が代わりに来たのよ。」
本人はそう言ってはいるが、先程の様子から見るに光も相当呑んでいたと思われるので人の事を言えないはずだが・・・。
光(当時)「何よ、回想でも余計な茶々を入れるつもり?」
いや・・・、もうここまで行ってしまえばそんなの関係無い様な気がしましてね。俺自身も半分自棄くそになりかけている訳ですよ、「分かってくれ」とは言いませんがこれでも苦労しているんですよね。
光(当時)「あらそうなのね、世界を創造するのも簡単じゃない訳ね。」
そうなんですよ、動画配信サイトでアニメを見ながら書いていますが頭がこんがらがっているんです。
光(当時)「あんた馬鹿なの、自業自得じゃない!!」
仕方が無いじゃ無いですか、無音の空間が苦手なんです!!俺の事は良いでしょ、話を続けましょうよ。ほらほら、次にご自分がすべき事は何か覚えておられるんですか?
光(当時)「そうね・・・、ちょっと待ってね・・・。」
急いで台本を確認する光、それにしても誰がこの台本を書いてんだよ全く・・・。
光(当時)「どれどれ・・・、えっとね・・・、「魔力が有り余っていた光はそこにいた全員を連れて『瞬間移動』した」ですって?!何処にそんな魔力が残ってんのよ!!」
あの・・・、神様ばりの魔力をお持ちなので可能なのでは?
光(当時)「無茶言わないでよ、魔力に限界があるって何で分からないの?」
多分元の世界にいる人間は魔力を持って無いからじゃ無いですか?それよりですけど、そこにいる全員を連れて『瞬間移動』するのは不可能なんですか?
ナルリス(当時)「あのな・・・、俺の大切な妻に余り無茶をさせないでくれ。」
分かってますよ、でも貴方には可能なんですか?それに新聞配達の頃からレストランのオーナーになった時も働きっぱなしの気がしますがちゃんと家族サービスを行ってきたと言えるんですか?
ナルリス(当時)「い・・・、いや・・・、それを言われてしまうと・・・。」
光(当時)「良いぞ良いぞ、もっと言ってやりなさい!!」
ちょっと待てよ、光はどっちの味方なんだ?
光(当時)「中立、ニュートラル!!」
何て夫婦だよ・・・、結婚前の事を思い出して欲しいのは俺だけか?
気のせいって事にしとこ・・・




