403
ミーちゃん、それはチェイサーじゃ無いよ
-403 誰も悪くない-
実はこの店に来てからずっとビールのメガジョッキと焼酎を交互に吞み続けていたミーレン、そりゃあ結構序盤から真っ赤になっている訳だな。
ナルリス(当時)「ミーちゃん、そんなに呑んで明日大丈夫な訳?」
いち店舗のオーナーとして従業員の健康に気遣う一方で、翌日の仕事に影響が出ないかと危惧するナルリス(まぁ当然の事か)。
ミーレン(当時)「明日有給を取ってるから大丈夫ですよ、と言うかオーナーが何で知らないんですかぁ?」
ナルリスは懐から店のシフト表を取り出して確認した、ただそこには翌日のミーレンは通常出勤と表記されていたのだがどういう事なのだろうか。
ナルリス(当時)「ミーちゃん、明日は「空欄(出勤)」になっているよ?誰に有給届けを出した訳?」
ミーレン(当時)「あれぇ、真希子さんに「有給消化してくれ」って言われたからその場で出しましたけどぉ?」
ナルリス(当時)「はぁ・・・、「まさか」とは思ったけどやっぱりか・・・。」
オーナーの様子から以前にもこの事があった事が見て取れる、一先ず呆れ顔になっていたヴァンパイアは副店長に『念話』を飛ばす事に。
ナルリス(当時・念話)「真希子さん、恐れ入りますが今大丈夫でしょうか?」
丁寧に言葉を選んで話しかけるオーナー、相変わらずどちらが上の立場なのかが分からない。
真希子(当時・念話)「あらぁ?ナル君じゃないか、私なんかに何の用だい?」
予想通りではあったが、転生者達と楽しく呑んで顔を赤くしていた副店長兼貝塚財閥筆頭株主。特にこの日は好美が守を連れて行きていたので嬉しかったからいつも以上に酒のペースが速かったらしい、・・・って好美は夜勤じゃねぇのかよ!!
ナルリス(当時・念話)「すみません、ミーちゃんって明日有給になっているんですか?」
真希子(当時・念話)「そうだよ?ちゃんと連絡ノートに書いてあったはずだけど?」
真希子が副店長を務め出してからというもの、店内における重要事項をオーナーや副店長などの間で忘れず共有出来る様に事務所に連絡ノートを置く様にしているとの事。
ナルリス(当時・念話)「そんなの書いてありましたかね・・・、因みにどちらに?」
真希子(当時・念話)「「No. 6」にだよ、ちゃんと確認しなかったのかい?」
ナルリス(当時・念話)「いや・・・、確か今日来た時は「No. 7」になっていましたよ?」
実は前日、真希子の発言に出た「No. 6」が最終ページに差し掛かっていたので翌日の為を思ったサブシェフのロリューが新しいノートに取り換えた様だ。
真希子(当時・念話)「因みにだけどナル君、使い切ったノートの確認はしたのかい?」
ナルリス(当時・念話)「そうでした・・・、いつも忘れるんですよね。悪い癖がついて申し訳ないです。」
真希子(当時・念話)「全く・・・、自業自得も良い所だよ。一先ず私はちゃんと書いたしこの場でも言ったからね。」
ナルリス(当時・念話)「すみません・・・、面目ないです・・・。」
ビアジョッキを片手に持ちながらも、まだ酔った訳でも無いのに顔を赤らめるオーナー。全く・・・、本当にどちらが偉いんだか・・・。
ミーレン(当時)「オーナー、それでどうだったんです?」
『念話』の能力を持っていないミーレンはずっと黙ったままでいたナルリスに結果を聞くまでどうする事も出来なかった、「あれ?『念話』って周りにも聞こえてたんじゃない?」と思ったがどうやら盗み聞きを防ぐ事も出来る様になっているみたいだ。まぁ能力を『作成』したり使っている訳じゃ無いから知らなくても仕方ないかもだが、創造主(俺)が分からなくなる範囲までこの世界は変化しているらしい。全く、正直頭が追いつかないよ。
ナルリス(当時)「ごめんごめん、今真希子さんに聞いたけど俺が知らなかっただけみたいだから明日はゆっくり過ごしておくれ。」
ミーレン(当時)「じゃあこれからお家に行って私も真希子さんと呑みたいです!!」
ナルリス(当時)「何でやねん、ちゃんと家帰らんかい!!」
盛り上がって来たかな




