㊵
ピューアは買い物を続行した。
-㊵ 人魚の思い付き-
ピューアは目的地に到着すると買い物カゴを手にして店の中を回り始めた、予定の物は1つ2つ程度だったがショッピングも趣味の1つだったのでニクシーはルンルンしながら歩を進めて行った。
ピューア「あれは買ったし・・・、そうだ、もう1品作ってみよう。」
冷蔵ケースの商品を見てふと思い立ったピューアは、ケースから離れた別の売り場へと向かおうとした、しかし・・・。
ピューア「具材は必要よね、余ったらメラに食べさせときゃ良いし。」
ピューアは一旦引き返してケースの中の商品を手に取ると、ケースを再び離れて必要とされる商品を2つ取りに行った。
会計をすっかりお馴染みとなっている「貝塚Pay」で済ませると、ピューアは直接好美の家へと『瞬間移動』した。しかし、かなり遅れを取った様で既に宴は始まっていた。
好美「結構時間が掛かったね、沢山作るつもりなの?」
ピューア「2品程度なんだけどね、〆のラーメンも楽しめる様にと思ってね。」
好美「ラーメン?そんなの店で頼めば良いじゃん。」
ピューア「皆で囲んでワイワイ楽しめる物にしたの、キッチン借りるね?」
ピューアは一言告げるとキッチンへと入り、フライパンにバターや小麦粉を入れて炒め始めた。どうやら1品目はホワイトソースを使った物の様だ。
ピューア「「あれ」の皿あったかな・・・、好美に「あれ」のイメージ無いのよね。」
ガサゴソとキッチンを漁ると奥の方に目的の物を発見したので底にバターを薄く塗った上にホワイトソースを流し込んで買い物袋からある物を取り出した、パッケージには大きく「5分」と書かれている。
ピューア「火を加えるから茹で時間は短い方が良いよね。」
マカロニグラタンでも作るのかと思われたがそれでは普通過ぎる、確か本人は少し変わった物と言っていた様な、いなかった様な・・・。ただよく見てみると、本人が持っていたのは同じパスタでもマカロニではなくスパゲティだった。
ピューアはスパゲティを2分程茹でた後、まだ少し(?)硬い状態でホワイトソースの中へと入れるとシュレッドチーズと粉チーズを振りかけてオーブントースターの中へと入れた。
ピューア「後は焼き上がりを待つだけね、さてと、もう1つ作りますか。」
次にピューアは鍋を取り出して、水と買って来たパウチから具材入りの素を入れて加熱し始めた。因みに豚の小間切れ肉やカット野菜を先に入れて灰汁を綺麗に取ってある。パウチには「麻婆春雨(辛口)」とあるのでそのままでも十分辛いはずだが、料理人の血が騒いだ様で、色々とアレンジを加え始めた。
ピューア「忘れてた、辛ラーメンのスープ入れなきゃ。」
兎に角辛くしたい様で、辣油や七味を加えて春雨を入れた。辛ラーメンの麺は〆に入れる様だ。
そうこうしている内に、オーブンの中でグラタンが焼きあがり、キッチン中に良い匂いが漂って来た。
ピューア「丁度良いじゃん、早速持って行こうかな・・・。(念話)守君、ちょっと手伝って貰える?」
守(念話)「ああ、良いけど。」
人魚に呼び出された守はキッチンへと向かい、鍋をテラスへと運びながら中を見た。
守「何か、凄い色してんな。」
ピューア「食欲湧くでしょ、〆はラーメンよ。」
テラスでは好美達が空き缶を数本程転がして遊んでいた、酔った勢いで幼少の頃の事を思い出したのだろうか。
好美「待ちくたびれたよ、何が出来たの?」
ピューア「スパゲティグラタンにとバカ辛鍋、どっちも酒に合うと思って作ってみたの。」
遊んで腹が減っていた好美は早速出来立ての料理に食らいついた。
さて、料理のお味は?!